[スペシャルインタビュー]

≪スマートグリッドスペシャル・インタビュー≫スマートグリッド向け新プロトコルによるIEEE 1888システムの構築を聞く!(前編)

2011/05/01
(日)
SmartGridニューズレター編集部

2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、死者1万4616人、行方不明者1万1111人(計2万5727人)と日本史上最大規模の犠牲者を生んでいる(警察庁発表、4月29日現在)。同時に、発生した東京電力・福島第一原子力発電所の事故は深刻な放射能汚染を引き起こし、日本だけでなく世界の原子力エネルギー政策にも大きな影響を与えている。
このような背景と前後して、中国と日本がIEEE P1888ワーキンググループに共同提案していた次世代のエネルギー制御(スマートグリッド)を可能にする通信プロトコル「IEEE 1888」(UGCCNet)が、2011年2月に、IEEE-SAで正式に承認(正式名:IEEE 1888-2011)され、標準化された。すでに、この通信プロトコルを以前から実証し、IEEE1888システムを構築していた東大工学部2号館(2011年4月4日、システム構築完了)では、30%のピーク電力消費削減に向けた準備を進めている。さらに、東大は、今夏のエネルギー危機に向けて電力危機対策室を発足させ、全学レベルでの電力削減に取り組んでいる。
ここでは、東大グリーンICTプロジェクト(GUTP:Green University of Tokyo Project)の代表であり電力危機対策室のメンバーでもある東京大学 江崎浩教授(WIDEプロジェクト代表)に、IEEE 1888-2011標準成立の背景や、不眠不休で取り組んでいる全学のIEEE 1888システム構築の状況をお聞きした(聞き手:WBB Forum編集部)。

スマートグリッド向け新プロトコルによるIEEE 1888システムの構築を聞く!(前編)

≪1≫スマートグリッド向けの新プロトコル「IEEE 1888」とは?

■ このたびは、IEEE-SA(IEEE標準委員会)において、スマートグリッド向けの新プロトコル〔正式名称IEEE 1888-2011(UGCCNet)〕の標準化の達成おめでとうございました。さらに、この新しいプロトコル「IEEE 1888」を用いたシステムの相互接続実験(3月9日~10日)が成功され、IEEE1888システムを構築していた東大工学部2号館は2011年4月4日に完了しましたね。そこで、まず、IEEE 1888とはどのようなものなのかからお聞きしたいと思います。


【用語解説】

IEEE-SA:IEEE Standard Association、IEEE標準委員会
1888-2011:ユビキタスグリーンコミュニティ制御ネットワークプロトコル(UGCCNetプロトコル)用のIEEE標準。いわゆるスマートグリッド用通信プロトコル標準の一つ
1888-2011 - IEEE Standard for Ubiquitous Green Community Control Network Protocol(http://standards.ieee.org/findstds/standard/1888-2011.html
ファシリティ:Facility、ビルや工場等の施設や設備を意味するが、スマートグリッドの世界では電力・ガス・水道などの設備を指す。電力会社・ガス会社などのことをファシリティ企業という。

江崎 IEEE 1888とは、わかりやすく言いますと「スマートグリッド向けの新しい通信プロトコル」です。厳密に言いますと、「ファシリティネットワーク(ビル管理システムなど)におけるすべてのコンポーネント(構成する機器)を相互接続して、オープン化するための技術的なアーキテクチャとそのフレームワーク」ですね。ファシリティネットワークとは、ファシリティを構成するセンサーや制御機器から構成されるネットワークのことを指しています。

江崎 浩氏(東大グリーンICTプロジェクト代表、東京大学教授)
江崎 浩氏
(東大グリーンICTプロジェクト代表、東京大学教授)

IEEE 1888の特徴としては、今まで存在しているファシリティシステムをそのまま取り込みながら、最終的にはフルIPのシステムにもっていくというのがビジョンであり方向性なわけです。とくにファシリティに関していうと、ビルや工場の設備の中で、特にコントロール系(制御系)は、10年くらいで減価償却(更新)していきますし、ビルなどの建物そのものは30年から40年位のスパンで減価償却(建て替え)しています。

したがって、いろいろな設備を導入する際には将来のことを考慮して戦略的に、考えていかないとうまくいきません。それから当然のことながら、新しい設備と既存の設備の関係も考える必要があります。すなわち、クリーンスレート(白紙)の形で全部新しい技術に変えるというのは、難しいわけですね。ですからフレームワーク(システムの枠組み)としては、既存のものを取り込む形態を前提に設計しなければならない、ということになります。


≪2≫IEEE 1888システム構築の2つの設計思想

■ IEEE 1888システムは、どのような設計思想で構築されたのでしょうか。

江崎 はい。情報通信ネットワークにおいて、IPがあらゆるデータリンク(Ethernetや無線LANなど)に対応できるようにしたのと同じように、ファシリティネットワークシステム(ビル管理システム)を設計していく必要があるのです。

〔1〕IPバックボーンを基本にゲートウェイを活用した設計

江崎 基本的にはファアシリティシステムのバックボーンをIPにして、サブシステム(個々の独立したシステム)がゲートウェイを通じてIPときちんと相互に通信できるように枠組みを作ってしまおうというわけです。最終的には、既存のノンIP(非IP)のサブシステムがIPに変わっていけば、本当にシームレスにシステムが構築されるということになるわけです。これが、第一の基本的なデザインコンセプト(設計思想)です。

〔2〕データベースを考慮した設計

江崎 それからもう1つのデザインコンセプトは、これまでのネットワーク系もそうなのですがSNMP(Simple Network Management Protocol、ネットワーク管理プロトコル)でネットワークを管理している場合に、そのシステム内にストレージ(蓄積装置)が存在することはあまり考えられていない、つまり、データベースがあるということを考えずに設計されている場合が多いのです。

ですから、ある機器(端末等)から「何々の処理をお願いします、あるいは、何々の情報をください」「このデータを格納しておいてください」とか、そういうことしかやらない。これは基本的に、ビル管理システムの場合も同じだったのです。このようなシステムでは、昔のデータを使いながら省エネの実現を目指す「BEMS」とか「HEMS」と呼ばれるアプリケーションは動かないわけです。


【用語解説】

BEMS:Building Energy Management System、ビル・エネルギー管理システム
HEMS:Home Energy Management System、宅内エネルギー管理システム

というわけで、

(1)フィールド(現場)にある機器やセンサーがデータベースとの間でどのようにデータのやり取りをするのか
(2)データベースとアプリケーションがどのようにデータのやり取りをするか
(3)アプリケーションとセンサーがどのようなデータのやり取りをするか

この3つのプロトコルを設計することによって、過去の履歴を自由に取り出したり格納したりすることで、ファシリティシステムを設計できる、という新しいシステムを作ったわけです。

■ なるほど。その時のゲートウェイというのはどのようなものなのですか?

江崎 相互接続できる装置であればなんでもよいのです。要は、IP側とノンIP側のシステムが相互接続できればよいのです。言ってみればルータのようなもの、というのが一番イメージしやすいことになります。

ただ、現実の実装としてビジネスも含めて考えると、シスコシステムズのアプローチのように、マルチプロトコルルータのように、変換器(相互接続装置)を1つの箱にしてしまって、既存の必要なインタフェースを順次その箱に差していくということにしてあげれば、既存のファシリティ関係の人は、自分で開発しなくてもよいので、システムインテグレーションのなかに入っていけるのです。これは、実装方法の一つです。


≪3≫中国と共同で取組んだIEEE 1888の標準化

■ わかりました。ところでこのIEEE 1888の標準化への取り組みは、いつから始まったのでしょうか。スタート時点から中国と共同で取り組んだということはとても大事なことだと思いますので、その辺のいきさつをお話していただけますか?

江崎 表1に簡単な歴史をまとめて紹介していますが、中国と共同で、正式にIEEE P1888というワーキンググループ(WG)を立ち上げたのは、2010年の6月からです(注。ワーキンググループの場合、IEEEでは1888の前にProjectの「P」をつけ「IEEE P1888」と表記する)。

これまでも私たちは、中国とは北京インターネット研究所(BII:Beijing Internet-networking Institute)のチームとIPv6関連でずーっと長く共同研究をしてきています。当初かれらは、「環境問題」というと理解しにくいため、“エッ?”っていう感じだったのですが、地球温暖化などが国際問題になり、世の中が変わってきたなかで、一緒にやっていきましょうという話になったのです。

表1 IEEE 1888の標準化への取組み
取組み年 内 容
2003年 IPv6普及高度化推進協議会にBuilding Automation WGを創設。IPv6技術のファシリティネットワークへの適用を検討する活動を開始(主査:東京大学 江崎浩 助教授、当時)。
2004年 2004年、東京都 財務部は、新宿 東京都 本庁舎の設備ネットワークの改装に合わせて、これを、オープン化することで、長期間での設備システムへの投資効果の改善のための検討を行う研究会を開催、この結果、IPv6ベースの設備ネットワークが導入された。
2006年 IPv6協議会 Building Automation WGのメンバーを中心に、ファシリティネットワーク相互接続検証協議会(主査:江崎浩)を設立。相互接続性の確立に向けた活動が開始された。
2008年 その成果は、2008年夏の北京オリンピックにおける、メインスタジアムエリアの照明システムの管理制御がIPv6技術を用いて実現された(当時、松下電工が担当)。また、同年、グリーン東大工学部プロジェクト(代表:江崎浩、東大教授)を設立。
2009年 2009年度に総務省の支援による、中国 北京市 清華大学とBII社(北京インターネット研究所)を中心に形成されたコンソーシアムと共同で、グリーン・ビルディングに関する実証実験と標準化に関する活動を開始。グリーン東大プロジェクトの成果であるインターネットベースの技術仕様は、中国の国内標準に向けた活動が推進された。
2010年 2010年6月IEEE-SA(Standard Association)は、中国における国際標準化活動を活性化することを目的に、北京オフィスを2010年6月に創設。この北京オフィスの最初の活動内容の2つの1つとして、IEEE P1888(ワーキンググループ)標準化活動が開始された。技術検討の主体は、グリーン東大工学部プロジェクト(現:東大グリーンICTプロジェクト、2010年設立)標準化分科会であった。
2011年 2011年2月22日、IEEE-SAで正式に「IEEE 1888-2011 - IEEE Standard for Ubiquitous Green Community Control Network Protocol(UGCCNet)として承認され、標準化された。


■ 江崎先生のチームは、かなり以前から環境問題に取り組まれていましたね。

江崎 はい。私たちは、2003年からIPを使ったビルディングオートメーション(BA)の取り組みをずっとやってきていたため、中国と共同でIEEEに提案した2010年には、そのアーキテクチャの原型もかなり固まってきていました。

江崎 浩氏(東大グリーンICTプロジェクト代表、東京大学教授)
江崎 浩氏
(東大グリーンICTプロジェクト代表、東京大学教授)

その間に、東大グリーンICTプロジェクト(2010年4月1日設立)の前身である、グリーン東大工学部プロジェクト(代表:江崎浩)が2008年に設立され、実証実験などの活動を開始していましたので、これをベースにして、中国でもやりたいということになったのです。そのとき、総務省がグリーン東大工学部プロジェクトの実証実験の後押しをしてくれたため、中国の精華大学と共同で(先述のBIIが事務局となって)「中日の緑色ITプロジェクト」を発足できたのです

http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20100707/802)。

一方、先述のBIIのチームは、中国における情報通信分野について、例えばWiMAXなどの標準化も熱心に取り組んでいました。その時点でIEEEは、中国のマーケットが大きいことを念頭において、IEEEは「機が熟した」と判断し、IEEE–SA(IEEE Standard Association、IEEE標準委員会)の北京オフィス(Beijing Office)をつくりました。これによって、中国市場でもきちんとした国際標準を制定し、その標準を使用していくという流れができたのです。当時、中国では2つのIEEE関係規格の標準が走っていたと聞いていますが、そのうちの1つが「IEEE 1888」だったのです。そこで「ぜひやりましょう」ということになった。これは、かなりポリティックな、中国の国家戦略に近いテーマでしたが、見事に共同開発体制ができたのです。

そのころ、私たち(東大グリーンICTプロジェクト)は、ちょうどIEEE 1888のベースとなったFIAP(ファシリティ情報アクセス・プロトコル)というプロトコルをASHREA(BACnet等を標準化した組織)のほうにも提案していましたので、それでは、それを中国と一緒にIEEE-SAにも提案して標準化していこうということになったのです。こうした経緯もあって、事務局は中国になっているのです。


【用語解説】

FIAP:Facility Information Access Protocol、東大グリーンICTプロジェクトが命名したファシリティ情報アクセス・プロトコル。1888-2011-UGCCNetのベースとなったプロトコル
ASHREA:American Society of Heating, Refrigerating, and Air-Conditioning Engineers、米国暖房冷凍空調学会
BACnet:Building Automation and Control network、ビルオートメーション用データ通信プロトコル

■ ということは、中国が標準化の表に出ていて、日本がそれをバックアップしているという感じの標準化活動だったということですか? それとも、協業という形なのでしょうか?

江崎 基本的には協業なのですが、表向きはバックアップという形に見えていますね。

そのような進め方が、今回標準化を実現するうえで、一番やりやすい体制と判断しました。


≪4≫わずか8カ月という短期間に「IEEE 1888」を標準化

■ それで「IEEE 1888」の標準化は、スムーズにいったのですか?

江崎 めちゃくちゃうまくいきましたね。IEEEのほうも、中国を強く意識しているところもあるので、非常に応援してくれました。ですから、これまで私たちの東大グリーンICTの活動を通して、かなり標準の仕様はできていたとはいえ、2010年の6月に提案して、2011年の2月に標準化が完了しました。すなわち、8カ月という異常に短期間に標準化が達成できました。

■ それは、すごいスピードですね。普通は標準化には2年以上もかかると聞いていますのでびっくりです。

江崎 そうですね。先ほど申し上げたように、今回の「IEEE 1888」の標準化の場合は、テクノロジーは我々で、事務局は北京でいくという体制でした。この結果、IEEE 1888は、政治的には中国が国際標準をきちんと策定していくことに成功したのです。グローバルな視点から見れば、中国がグローバル標準を使用して、中国市場を「クローズドマーケット」にしないようにしてくれるということに対しては、すごく大きな意味をもっていることになるわけです。

IEEE 1888は、今後、これと関係する中国国内の標準に多くの影響を与えていくことになりますし、これは素晴らしいことなのです。グローバル標準があって、それをそのまま中国の国内標準がいろいろとリファー(参照)していくと言う動きにもっていければ、一番嬉しいことなのです。

〔1〕IEEE 1888のベースとなったFIAPをBACnetへ提案

■ 先ほど、FIAP(フィアップ)というプロトコルをASHREA(BACnet等を標準化した組織)にも提案しているとのことでしたが……。

江崎 その通りです。これはASHREA(アシュレイ)という団体の中のBACnetという標準化グループがありますが、そこにもわれわれのFIAP(IEEE 1888と同じ内容のもの)を提案しているのです。このBACnetグループというのは、米国でスマートグリッドを取りまとめているNIST(米国立標準技術研究所)の部下のようなグループです。


【用語解説】

NIST:National Institute of Standards and Technology、米国立標準技術研究所
ASHREA:American Society of Heating, Refrigerating, and Air-Conditioning Engineers、米国暖房冷凍空調学会
BACnet:Building Automation and Control network、ビルオートメーション用データ通信プロトコル。

先ほど言いましたように、従来のファシリティシステムは、データベースは考えていないところがありましたが、ちょうどこのBACnetもIEEE 1888と同じように、Webサービスをきちんと入れたい、という話がスタートしていたところなので、われわれの提案(コンセプト)は、受け入れられやすい面があったと思います。

〔2〕IEEE 1888とBACnetの関係は?

■ ということは、IEEE 1888とBACnetの関係は、どうとらえればよろしいのでしょうか。

江崎 IEEE 1888とBACnetの関係は、喧嘩しているということではなく、スタンスとしていては、BACnetを取り込むような大きなフレームワークがIEEE 1888なのです。つまり、IEEE 1888は、BACnetのスーパーセット(上位機能)として位置づけられるので、技術的な整合性というのを担保しながら、BACnetのほうにも提案しているということです。


≪5≫世界初のIEEE 1888システムの接続実験の成功

■ なるほど。ところで、先生は今回のIEEE 1888システムの接続実験の成功は、世界で初めてだということでしたが、どんな接続実験だったのでしょうか。システム構成の図面がありますか?

江崎 図面は参加された方々に照会しなければいけないので公開できませんが、基本的には、各種センサーや、ゲートウェイ、データベースがあってアプリケーションがあるというシステムで相互接続の確認をしています。センサーは、基本的にはなんでもいいわけなのですが、具体的なセンサーとしては、無線のBluetoothで動く100Vの電源タッパー、スマートメーターなどです。

また、この通信規格IEEE1888は、2011年2月2日に正式に承認された「スマート・コミュニティ」や「ビル・エネルギー管理システム(BEMS)」など向けのオープンな国際標準規格で、最初に申し上げたように、UGCCネット(Ubiquitous Green Community Control Network)システム、つまり、少し長いですが、「ユビキタスグリーンコミュニティ制御ネットワーク」システムと呼ばれています。

電力削減に貢献するこのIEEEシステムの設計には、グリーン東大ICTプロジェクト(GUTP:Green University of Tokyo Project)が大きく貢献しています。東北地方太平洋沖地震(2011 年3 月11 日発生)の直前の、3月9日と3月10日に、東京大学にて実施されたUGCCネット相互接続検証には、10の企業・団体が、開発を進めているIEEE1888準拠のプロトタイプ機器が持ち込まれました(写真1、写真2)。


写真1 2011年3月9日と3月10日に行われたIEEE 1888(UGCCNet)相互接続検証実験の風景(クリックで拡大)

写真1 2011年3月9日と3月10日に行われたIEEE 1888(UGCCNet)相互接続検証実験の風景


写真2 IEEE 1888(UGCCNet)相互接続検証実験に使用されたセンサーモジュール(静岡大学が開発中)(クリックで拡大)

写真2 IEEE 1888(UGCCNet)相互接続検証実験に使用されたセンサーモジュール(静岡大学が開発中)


そして、これらの機器の間でIEEE 1888通信を行い、ベンダー間での相互接続検証に成功しました。今回の相互接続検証は、各ベンダーが具体的にIEEE 1888機器を製造するうえで、重要な意味をもっています。この検証試験を行うことによって、それぞれの機器がIEEE 1888に準拠していることが確認され、BEMSなどの市場にIEEE 1888機器として投入できることになり、今後の電力削減に大きく貢献していくことになります。

(後編につづく)

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<東大のスマートグリッドを実現するグリーン東大の実証実験を聞く!>

第1回:CO2を2030年までに50%削減することを目標

第2回:グリーン東大の目指すゴールとシステム構成

第3回:グリーン東大発のNISTやIETFなどへの標準活動

<スマートグリッドスペシャル・インタビュー

スマートグリッド向け新プロトコルによるIEEE 1888システムの構築を聞く!(前編)

スマートグリッド向け新プロトコルによるIEEE 1888システムの構築を聞く!(後編)


プロフィール

江崎浩氏(東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授)

江崎浩(えさき ひろし)氏

現職:
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授

【略歴】
1963年 福岡県に生まれる
1987年 九州大学 工学部電子工学科 修士課程修了
1987年 (株)東芝 入社 総合研究所にてATMネットワーク制御技術の研究に従事
1988年〜1990年 米国ニュージャージ州 ベルコア社客員研究員
1989年〜1994年 米国ニューヨーク市 コロンビア大学 CTR(Centre for Telecommunications Research)にて客員研究員。高速インターネット・アーキテクチャの研究に従事
1994年 ラベル・スイッチ技術のもととなるセル・スイッチ・ルータ(CSR)技術をIETFに提案(RFC 2098、RFC 2129)し、その後、セル・スイッチ・ルータの研究・開発・マーケティングに従事。 IETFのMPLS分科会、IPv6分科会において、積極的に標準化活動を展開。
1998年 東京大学 大型計算機センター助教授に就任
2001年 東京大学 情報理工学系研究科 助教授に就任
2005年 現職(東京大学 情報理工学系研究科 教授)工学博士(1998年 東京大学) 2005年 東京大学 情報理工学系研究科 教授 工学博士(1998年 東京大学)
2010年 WIDEプロジェクト代表に就任
2010年 東大グリーンICTプロジェクト(GUTP)代表に就任

【主な活動】
WIDEプロジェクト統括執行役(COO)。IPv6普及・高度化推進協議会専務理事、JPNIC副理事長、ISOC(Internet Society)理事(Board of Trustee)

【最近の主な表彰】
2004年:情報処理学会 論文賞/総務大臣表彰(グループ受賞 グループリーダー)/IPv6 Forum Internet Pioneer Award、グリーンITアワード2009 審査員特別賞(グリーン東大工学部プロジェクト)等

【主な著書】
インターネットRFC事典(笠野英松 監修、共著、アスキー、1998年)/インターネット用語事典(江崎浩 監修、I&E研究所、2000年)/インターネット総論(小林 浩/江崎 浩 共著、共立出版、2002年)/MPLS教科書(江崎 浩 監修、IDGジャパン、2002年)/IPv6時代のインターネットプロトコル詳解(インターネットプロトコル詳解編集員会編、毎日コミュニケーションズ、2003年)/IPv6教科書(インプレスR&D、2007年)/P2P教科書(インプレスR&D、2007年)

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