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ミサワホームグループとKDDI、"家のIoT"を共同開発 被災度判定計「GAINET」を発売

2015/04/22
(水)
SmartGridニューズレター編集部

2015年4月22日、ミサワホーム株式会社(以下:ミサワホーム)、株式会社ミサワホーム総合研究所(以下:ミサワホーム総研)およびKDDI株式会社(以下:KDDI)は、地震発生時にいち早く建物の被災度を判定して知らせる被災度判定計「GAINET」(ガイネット)を共同開発したと発表した。
「GAINET」は、2015年4月下旬より、ミサワホームが発売を開始する。

東日本大震災では、被災地域が広範囲にまたがり、同じ地域内でも地盤の状況によって建物被害の程度が異なるといったケースがあった。また、震災直後は、建物の被災状況を短時間で把握することが困難で、その後の復旧に時間を要していた。ミサワホームとKDDIは、建物ごとの被災状況をいち早く把握することが居住者の安全確保と早期の建物復旧対応につながると考え、被災度判定計「GAINET」を共同開発に至った。

「GAINET」は、住宅の基礎部分に設置する計測部で計測した地震波をもとに、住宅内の表示部で分析したリアルタイム震度と、建物および地盤の被災度ランクを表示し、音と連動して警告する。居住者は、この表示や警告を、建物およびその地盤の被災度を自宅に留まるか避難するかの判断の参考にすることが可能となる。

「GAINET」で測定された震度や建物の被災度等のデータは、高速データ通信が可能なLTEネットワークを経由して瞬時にクラウドサーバに集約されるため、ミサワホームは全国の建物ごとの被災度を短期間に把握し、建物の緊急度に応じたサポートを行うことができる。「GAINET」の活用イメージは図1、製品イメージは図2のようになっている。

 図1 GAINET」の活用イメージ

図2 GAINET」製品イメージ

「GAINET」の主な機能や仕様などは、下記のとおり。

「GAINET」概要

主な機能

  • 各戸の構造情報と地震波 ※1 の計測・分析による変形量から建物及び地盤の被災度を判定
  • リアルタイム震度、被災度を音と連動させてわかりやすく表示
  • 地震波の初期微動 (P波) を感知し、主要動 (S波) が到達する前に警告音を発信
  • LTEネットワークで地震情報の送受信やソフトウエアのアップデートが可能
  • バックアップ電池を搭載しており停電時も一定時間作動
  • 建物が計測した過去の地震発生情報を表示部で閲覧可能
  • 平常時は日付、時刻、温度及び湿度を表示
     

設置対象
  2015年4月以降に建築請負契約を締結したミサワホームの木質系戸建住宅
 

利用条件
  利用にあたってはサービス利用契約が必須。
  設置後5年間は、別途費用は発生しない。
  それ以降は所定のサービス利用料が必要。
 

「GAINET」仕様
表示部 外形サイズ 約125.5 (H)x71 (W)x21 (D) mm
重量 約140g
電源 家庭用AC100V (充電池内蔵)
通信モジュール LTE通信モジュール「KYM11」
通信方式 LTE (800MHz帯)
計測部 外形サイズ 約106.3 (H)x139 (W)x112 (D) mm
重量 約900g
防水・防塵 IP67相当

 


※1:建物ごとに設置した被災度計から得られる地震波

■リンク
ミサワホーム
ミサワホーム総研
KDDI

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