[視点]

電力広域機関「OCCTO」(オクト)が設立、送配電網の整備へ

— 電力システム改革第1弾! —
2015/05/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

日本における本格的な電力システム改革の第1弾として、586社が参加した「電力広域的運営推進機関」(OCCTO。略称:広域機関)が2015年4月1日に設立され、本格的な活動が開始された。
同改革については、すでに2013(平成25)年4月に「電力システムに関する改革方針」が閣議決定されている。この中で、電力システム改革の目的として電力の安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大などが掲げられており、この目的の下で、①電力における広域系統運用の拡大、②小売および発電の全面自由化、③法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保、の3本柱からなる改革が推進されている。
ここでは、改革第1弾としてスタートした「広域機関」の活動内容を解説する。

広域機関のプロフィールと組織運営体制

 今回設立された「電力広域的運営推進機関(広域機関)」(OCCTO)は、表1に示すように、会員数586社にもおよぶ電気事業者(詳しくは後述)が参加し、理事長には政策研究大学院大学 副学長の金本 良嗣(かねもと よしつぐ)教授が就任した。第1回通常総会は、2015年4月9日、東京・大田区の大田区民ホールで開催された。

表1 電力広域的運営推進機関(広域機関)のプロフィール

表1 電力広域的運営推進機関(広域機関)のプロフィール

〔出所 http://www.occto.or.jp/koiki/index.htmlなどをもとに編集部が作成〕

 この広域機関は、図1に示すように、基本的に、次のような組織運営体制となっている注1

  1. 日常の組織運営を担当する理事会
  2. 事業者以外の中立的立場による重要事項の審議を行う評議員会

図1 電力広域的運営推進機関(広域機関)の組織運営体制

図1 電力広域的運営推進機関(広域機関)の組織運営体制

〔出所 http://www.koiki-kikan.jp/contents/20150128_aboutoccto.pdf

広域機関の目的

広域機関は、電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進めるとともに、全国大で平常時・緊急時における電力の需給調整機能を強化することを目的としている。

 具体的には、

  1. 電力の需給計画・系統計画を取りまとめ、周波数変換設備、地域間連系線などの送電インフラの増強や区域(エリア)を越えた全国大での系統運用等を図ること
  2. 平常時において、各区域(エリア)の送配電事業者による需給バランス・周波数調整に関して、広域的な運用の調整を行うこと
  3. 災害等による需給ひっ迫時において、電源の焚き増し(火力発電所などの発電量を増加させること)や、地域間連携線による電力融通を指示することで、需給調整を行うこと
  4. 中立的に新規電源の接続の受付や系統情報の公開に係る業務を行うこと

などが主な業務内容となる。

 この機関には、「一般電気事業者」「卸電気事業者」「特定電気事業者」「特定規模電気事業者」など、すべての電気事業者が広域機関の会員となることが、改正電気事業法で義務付けられている注2

 すなわち、今後、電気事業者になるためには、経済産業省への許可の申請または届出に先立って、まず、広域機関への加入申し込みを「加入申込書」にて行う必要がある。広域機関において加入申込書を受付後、受付印を押印した加入申込書の写しが加入申込者に返送されるので、これを添付して経済産業省に許可の申請または届出を行い、許可を受けた時点または届出が受理された時点で、会員となる注3


▼ 注1
http://www.koiki-kikan.jp/contents/20140717_gian4_kakudai.pdfhttp://www.occto.or.jp/koiki/soshiki/jyoho.html

▼ 注2
電気事業法の一部を改正する法律〔平成25(2013)年法律第74号〕、http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/kouiki/

▼ 注3
http://www.occto.or.jp/koiki/kanyu/index.html

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