[特別レポート]

動き出したM2Mの新国際標準「oneM2Mリリース1」

― 日本初となる国際標準規格oneM2Mを使用したショーケースを展示 ―
2015/05/28
(木)
SmartGridニューズレター編集部

2015年5月25日、東京国際フォーラムにて、2015年1月30日にM2Mの国際標準化団体「oneM2M」が公開した最初の技術仕様書群(リリース1)と、M2M/IoT活用の現状と未来に関する講演と展示を行う「oneM2Mショーケース」(oneM2M Showcase Tokyo)が開催された。同イベントは、一般社団法人 情報通信技術委員会(TTC)と国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)、一般社団法人 電波産業会(ARIB)の主催、新世代M2Mコンソーシアム協力、総務省後援のもとで行われた。会場は、定員220名の満席となるほどの盛況ぶりであった。
ここでは、主な講演内容についてレポートする。

写真1 oneM2Mショーケース(oneM2M Showcase Tokyo)の概要

写真1 oneM2Mショーケース(oneM2M Showcase Tokyo)の概要

 
写真2 講演会場の様子

写真2 講演会場の様子

フードコート型ビジネスが求められる時代へ

 イベントの冒頭では、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)理事の富田二三彦氏が主催者挨拶を行い、ICTが浸透してきた現在では、実社会とサイバー社会をどのようにつないでいくかが重要になると述べた。

写真3 国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)理事 富田二三彦氏

 同氏は、図1に示すように、
 ①実社会からセンサーで情報を収集する
 ②その情報をサイバー空間のビッグデータシステムに蓄積する
 ③データを業界融合的に活用し、新たな価値の生成を行う
 ④実社会に還元する
という情報の流れが、未来を創造する原動力になると説明した。
 
図1 実社会とサイバー社会をつなぐ情報の流れ
〔出所 NICT富田二三彦氏講演資料より〕
 
 また、今後は、技術開発と社会との関係性も変化していくとして、1人ひとりの要望に沿いながら、幅広いユーザーを獲得し、将来の技術開発と新ビジネスの創造に役立てるという、いわば「フードコート型ビジネス」が求められるとした。そして、どのように異業種の顧客を集めてくるか、業界を横断して知恵を結集することが重要だと締めくくった。
 

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