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総務省、携帯電話番号の有効利用における「M2M等専用番号」答申を公表

2015/12/17
(木)
SmartGridニューズレター編集部

2015年12月17日、総務省は、情報通信審議会(会長:内山田 竹志、トヨタ自動車株式会社 取締役会長)から、「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方」(2016年6月18日付け諮問第1223号)について答申を受けたことを公表した。

同答申は、「020」で始まる番号を割り当てるとした情報通信審議会電気通信事業政策部会の答申(案)を経て、同審議会が実施した意見募集の結果を踏まえて行われたものとなる。

答申の概要

  • M2M 等専用番号の必要性
    現在までの携帯電話番号利用(既存番号の枯渇が予測される)や急速な発展をみせるM2M サービスの動向を踏まえると、M2M サービス及びその他のデータ通信専用サービスについて、
    ①将来にわたる電気通信番号の効率的利用を確保しつつ、
    ②電気通信サービス利用者の利便性確保・向上や、
    ③M2M サービスなどの活性化に資するため、
    専用の番号帯(M2M 等専用番号) を創設するとともに、携帯電話番号として広く認知されている090/080/070番号については人が操作などを行うサービス向け利用に集約することが適当であるとする。
     
  • M2M など専用番号の番号帯について
    M2M など専用番号とする番号帯については、前述のような条件を満たす番号帯として、M2M等専用番号は020番号※2とすることが適当である。(図1参照)
      図1 0A0番号帯の使用状況
    • 地理的識別や着信課金等のサービス制御機能を伴わないサービスに用いられる0A0番号※1を使用する。
    • 0A0番号のうち残された未使用の番号帯(030、040)については、将来の新サービス等向けに留保する。
    • M2M サービスやデータ通信専用サービスについては、従来の音声通話を伴う携帯電話・PHS と比べて、サービス形態や利用者による番号認識、ネットワーク活用形態等が異なることから、番号によるサービスの種類の識別性を確保する観点から、携帯電話・PHS サービスに現在使用している090/080/070番号とは離れた番号帯とするといった条件を満たすことが望ましい。
       
  • M2M 等専用番号の桁数
    M2M サービス等の普及・発展に伴い、必要となる番号数は将来的に大きく膨らむことが考えられ、電気通信事業者への番号指定に当たっては、M2M サービス向けの番号需要については、
    ①短期間のうちに大量の需要が発生する場合があること
    ②製品に組み込む通信モジュールの製造段階で番号が必要となるため番号指定から利用開始までの期間が比較的長いこと
    といった特性に対応して余裕をもった番号指定を行うことが必要となると考えられる。

    このようなことを踏まえ、M2M 等専用番号の桁数については、M2M サービス等の普及・発展を妨げることがないよう、十分な番号資源を確保できる長さに設定することが必要である。

    M2M 等専用番号については、これらの番号が原則として発信番号として携帯電話端末に入力されたり、発信番号として通知されたりすることを通じて接続用番号として認識されるものではないことから、桁数を090/080/070番号(11 桁)よりも長く設定すること(桁増し)により、利用者の不便を生じさせることなく番号空間を大きく拡大することができる。

    しかし、桁増しに当たっては、携帯電話事業者のネットワークシステム改修等に数百億円程度の投資コストと準備期間が必要となると見込まれることから、M2M サービスなどの需要が十分に拡大しない場合には、桁増しを行うことが利用者負担料金の押し上げや、M2M サービスの事業効率の悪化につながるおそれもある。

    そのため、M2M 等専用番号の導入当初においては、携帯電話事業者のシステム改修等に係る期間や投資を考慮し、関連サービスが迅速かつ円滑に提供されるよう、従来の携帯電話・PHSと同じ11桁とすることが適当である。11桁のM2M等専用番号の導入により、当面は8,000万番号が開放されることとなるが、指定番号数がこのうちの相当数に達すると見込まれる時期以前に桁増しを行うこととし、将来にわたるM2Mなどの需要増を吸収するに十分な番号空間を確保することが必要である。

総務省は、同答申を踏まえ、「M2M等専用番号の創設」を含む携帯電話番号の有効利用に向けた制度整備を速やかに行っていく。


※1 0A0番号:「A」は数字(1~9)が入ることを意味する。

※2 020番号は、一部が発信者課金無線呼出しサービスに用いられているが、当該サービスに係る番号使用の需要が大きく増加する可能性は小さく、現在の11桁では8×1,000万番号、12桁とすれば8×1億番号、13桁とすれば8×10億番号の容量を確保することができる。

■リンク
総務省

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