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北海道電力と住友電工、南早来変電所大型蓄電システムの実証試験を開始

2015/12/25
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2015年12月25日、北海道電力株式会社(以下:北海道電力、札幌市中央区、代表取締役社長:真弓 明彦)と住友電気工業株式会社(以下:住友電工、大阪市中央区、社長:松本 正義)が共同で進めてきた、北電南早来変電所(所在地:北海道勇払郡安平町)における大型蓄電システム(レドックスフロー電池、定格出力15,000kW、容量60,000kWh)の設置工事が完了し、実証試験を開始したことを発表した。同実証設備の蓄電容量は、レドックスフロー電池としては世界最大級の規模となる(同社公表値)。
 図1 実証試験イメージ

北海道電力は住友電工と共同で、実証設備を用い、今後3カ年程度の実証期間で、風力発電や太陽光発電の出力変動に対する新たな調整力としての性能実証、および最適な制御技術の開発等に取り組み、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む(図2参照)。
 図2 実証試験の主なスケジュール

実証試験概要

<実証事業期間>
設置工事:2013年7月~2015年12月
実証試験:2015年12月~2019年年3月(予定)

<実証試験項目>

  • 蓄電池を周波数調整用電源とみなした周波数変動抑制制御手法の開発:
    これまで火力発電や水力発電が担ってきた周波数調整機能と大型蓄電システムを組み合わせることにより、周波数調整力に与える効果を検証。
     
  • 蓄電池による、余剰電力(下げ代)対策運転手法の開発:
    風力発電や太陽光発電の出力予測等に基づき、大型蓄電システムを効果的に運転することにより、再生可能エネルギーの出力増加に伴い発生する余剰電力を減少させる効果を評価。
     
  • レドックスフロー電池の性能評価:
    大型蓄電システムの性能評価、システム効率評価など。

 


※レドックスフロー電池[Redox Flow Battery]:Redoxとは、Reduction(化学の還元)とOxidation(酸化)の合成語。バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池。充放電を行う「セル」の部分と、金属イオン電解液を蓄える「タンク」から構成され、長寿命、安全・安定という特長をもつ。風力発電などの不安定な電力の平準化性能に優れ、メガワット級の大型蓄電池として期待される。

■リンク
北海道電力
住友電工

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