[スペシャルインタビュー]

電現ソリューション社長 岩崎聡樹氏に聞く!太陽光/超小型木質バイオマスパッケージで再エネの多角的ビジネスを目指す

2016/01/30
(土)
SmartGridニューズレター編集部

FIT注1制度が開始された2012年以降、約20GWの再生可能エネルギー(再エネ)発電所が新設されている。しかし近年では太陽光の買い取り価格は低下している。その一方で、2016年4月からは電力小売全面自由化、2017年4月からはガスの小売全面自由化がスタートする。電現ソリューション株式会社では、FIT制度に頼らない太陽光発電事業の新たなる仕組みの構築と、超小型木質バイオマスパッケージ「Volter40」による分散型エネルギー利用を目指した新しい事業を展開している。ここでは、同社代表取締役社長 岩崎 聡樹氏に、激動するビジネスについてお聞きした。

分散電源とエネルギーの地産地消を志向した電現ソリューション

Satoki Iwasaki

〔1〕太陽光ビジネスで一般戸建て住宅から産業用へ転換

─編集部:御社の事業はどのようなものでしょうか。

岩崎:主に、産業用太陽光発電システムの計画立案、施工、販売です。2011年の設立以来、メガソーラーの開発を通してプラントの設計や建設、および一般投資家向けエネルギー投資商品の開発と提供を行っています。

 私自身は、まだFIT制度もない時代から太陽光ビジネスに携わってきました。太陽電池パネルが1kW当たり100万円くらいだったころからです。その後、2011年に、電現ソリューションの前身となるアースヴィジョンズを立ち上げ、一般戸建て住宅への太陽光の提案営業をコツコツと進めてきました。

 それと並行して低圧分譲注2や高圧物件の仕込みを行い、太陽光の買取制度が変わったことも追い風となって、販売体制や許認可関係もすべて整った2年前、一気に産業用にシフトしました。電現ソリューションの設立は2015年4月、2016年1月現在の人員は47名です(表1)。

表1 電現ソリューション株式会社のプロフィール

表1 電現ソリューション株式会社のプロフィール

出所 電現ソリューションの資料より編集部が作成

 変化の大きいエネルギー需要を支える将来のインフラとして、弊社では分散電源とエネルギーの地産地消を早くから志向しています。

〔2〕太陽光市場を活性化させる徹底したコスト削減

─編集部:これからの太陽光市場についてどのように考えていますか?

岩崎:現在、太陽光市場はFIT制度の買取価格の低下により多くの業界関係者が事業継続を諦めて、新たな事業を模索しています。その下火のなか、私たちは今がチャンスだと考えています。世界的に見ても太陽光市場は、今もなお盛り上がりを見せています。それだけ太陽光市場には可能性があるということです。

 私たちは、太陽光発電の発電コストが今後の成長のカギだと感じております。そのため、中国での資材調達スキームを確立させ、施工ノウハウを共有し、徹底したコスト削減を図っています(図1)。そして今後は、分譲制度注3が廃止になるため、1物件ごとに好条件の用地取得から開発、申請、販売を一貫して行ってトータルコストを抑え、FIT制度に頼らない太陽光市場を作っていきたいと考えています。

図1 電現ソリューションのコスト削減施策と販売の取り組み

図1 電現ソリューションのコスト削減施策と販売の取り組み

出所:電現ソリューションの資料より編集部作成

─編集部:低圧物件を購入されるのはどのような方々ですか?

岩崎:私たちが低圧物件でターゲットとしているのは、クレジットローンが組める層のお客様です。ワンルームマンションなどに投資する個人投資家や地主さんなどに提案しています。

 集客も基本的にセミナー形式で行い、そこで直接話をしてその場で申し込みまで承るという方法です。今後はWebを活用した販売サイトの運営も行い、より多くの方に太陽光発電のメリットを知っていただきたいと考えています。

業界最安値の保守管理サービスeyeeco(アイエコ)で安心

─編集部:販売したシステムのメンテナンスはどうされているのでしょう。

岩崎:「eyeeco」(アイエコ)という独自の定額O&M〔Operation(運用)&Maintenance(保守・管理)〕サービス(表2)を用意しています。日本全国でこれまで開発された低圧分譲は約17万件、そのうちメンテナンスサービスに加入している顧客は約3万件と言われています。つまり、保守管理されている物件は非常に少ない。高圧物件はメンテナンスが法令で義務付けられていますが、低圧に関してはまだまだ整備されていないのです。

表2 eyeeco(アイエコ)のサービス内容と料金表

表2 eyeeco(アイエコ)のサービス内容と料金表

出所 電現ソリューションの資料より編集部が作成

 そこで、1件でも多くのお客様に加入を考えていただけるよう、年間約12万円という、業界でも最安値のメンテナンスパックを用意しました。eyeecoでは、自社製品/他社製品にかかわらず、太陽光システムの保守管理を行います。

 サービス内容は、定期目視点検、モニタリング(監視)、緊急時の駆けつけ、故障時の修理などで、三井住友海上との提携によって自然災害や盗難/事故の際の売電補償も提供しており、年間の費用にはこの保険料も含まれています。


▼ 注1
FIT:Feed-in Tariff、固定価格買い取り制度

▼ 注2
低圧分譲:低圧発電所分譲。産業用太陽光発電を50kW未満(低圧)の区画に分割して販売すること。

▼ 注3
施行規則第8条の改定。「大規模設備の分割対策のための認定基準の追加及び具体的な審査基準について(いわゆる「低圧分割」対策)。2014(平成26)年4月1日以降の認定申請が対象。

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