2016年7月5日、株式会社東芝(以下:東芝、東京都港区、代表執行役社長:綱川 智)は、市場で稼働する産業機器やビルファシリティなど、管理・監視対象とする装置のデータ収集と蓄積、稼働状況を示すデータの見える化サービス・遠隔監視サービス、運用サポートまでをパッケージ化し、「見える化と遠隔監視」を簡単かつ迅速に始められる、IoT基盤のクラウドサービス「IoTスタンダードパック」の販売を開始することを発表した。
今日、多くの産業分野では、利用している機器や装置、設備のアセットマネージメントや運用コストの低減と安定稼働を目指す「見える化・遠隔監視」へのニーズがIoT技術の普及でさらに高まってきている。しかし、「見える化・遠隔監視」の仕組みを導入するためには、利用部門で実施するセンサーなどの設置や、各種設定などの事前の準備作業や現場の作業でエンジニアリング業務が増大し、システム導入から実稼働までが長期化する課題がある。
東芝は、半導体や発電設備などでのモノづくりと、空港・道路・ビルファシリティなどの社会インフラのシステムの提供などの産業・事業領域で培ってきた実績とノウハウを持ち、IoT技術に応用している。これらを活かした「IoTスタンダードパック」の提供を開始することにより、簡単かつ迅速に見える化・遠隔監視を実現する。
図 サービス概要イメージ
◆「IoTスタンダードパック」の特長
- 事前準備と現場作業を最小限にするクイックスタート:
予め管理・監視対象とする装置の種別や属性情報、インターフェース、データ種別の情報等をテンプレート化して準備し、これまで利用部門毎に実施していた準備作業や現地作業のエンジニアリング業務を簡素化、現場での「プラグ&プレイ機能」※1によって、装置とエッジゲートウェイ※2を繋ぐだけで接続が完了し、見える化・遠隔監視開始までの時間を大幅に短縮する。
- エッジ※3技術によって実現する経済性:
エッジ側で多種多様な装置との高速通信や計測値に対し、ルールに従った検知・制御等を一次処理し、クラウド側では分析やルール設定などを高度化する。エッジ側とクラウド側との協調・分散処理を行うことで、全体最適な遠隔監視サービスを実現する。これにより、全体のネットワーク負荷を低減し、セキュアかつ経済的な運用が可能となる。
- 東芝の監視システム開発経験に裏付けられた幅広い適合性:
スマートコミュニティ・エネルギー領域において豊富な実績を持つビッグデータ処理ミドルウェアとオープンパートナーシップに基づいて、世界中の優れた製品・技術やグローバルコネクティビティを可能とするネットワークを組み合わせて顧客の課題を解決する。
※1 プラグ&プレイ機能:機器や装置をネットワークに接続したときに、自動的にIoT基盤に機器や装置を登録すること。
※2 エッジゲートウェイ:機器や装置が接続された内部ネットワークとインターネット等の外部ネットワークを仲介する通信装置。
※3 エッジ:通信ネットワークの末端に配置された通信機器。現場側、装置側にあたる。
■リンク
東芝