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インテルが目指すIoTによる電力・エネルギー戦略

― インテル エネルギー × IoTフォーラム・レポート ―
2016/08/03
(水)
SmartGridニューズレター編集部

去る2016年7月14日、ザ・リッツカールトン東京において、「インテル エネルギー×IoTフォーラム」が開催された。最新のIoTを駆使したインテルの電力・エネルギー戦略の発表とあって、同会場には300名が参加し満席の盛況であった。ここでは、インテル株式会社 代表取締役社長 江田麻季子(えだ まきこ)氏(写真1)とインテルコーポレーション グローバルエネルギー事業 ディレクター マイク・ベイツ(Michael Bates)氏(写真2)による講演の一部について、その概要をレポートする。

加速する変革のスピード

写真1 インテル株式会社 代表取締役社長 江田麻季子氏

写真1 インテル株式会社 代表取締役社長 江田麻季子氏

出所 編集部撮影

〔1〕モノが通信を前提にしてつくられるIoT時代

 1990年代半ば(1995年)以降から、フェースブックの設立やiPhone、iPadなどのタブレット、あるいは定額制による動画配信サービス「Netflix」などの登場によって、インターネットにつながっている人口は急増し、これらによる情報量は飛躍的に増大している。

 このようなインターネット環境の激しい変化に伴って、モノづくりを中心とする産業界は、「今やすべてのモノが通信を前提にしてつくられる」IoT時代を迎えている。

〔2〕500億台の端末、2,100億個のセンサーを接続

 現在、世界中でインターネットに接続されている端末の数は、150〜200億台と言われており、4年後の2020年には、図1に示すように、500億台になる。さらに、センサーに至っては2,100億個を超えるようになり、そのうち50%近くは、人を介さない機器間の接続(M2M)になると予測されている。

図1 膨大なデータを活用する社会の到来

図1 膨大なデータを活用する社会の到来

出所 インテル株式会社 代表取締役社長 江田麻季子氏講演資料より、2016年7月14日

〔3〕スマート工場:100万ギガバイト/日ものデータを発生

 このような膨大な数のモノが接続される背景には、図1の下段に示すように、急速な技術革新によって、過去10年間にセンサーの価格は1/2に、ネットワークの価格は1/40に、プロセッシング(処理能力、CPU)の価格は1/60へと大変なスピードで低下してきたことが挙げられる。

 また、通信されるデータ量の側面から見ると、通常のインターネット・ユーザーが1日に平均的に生み出すデータ量は、1.5ギガバイト(GB)/日と言われているが、このようなデータ量は機械同士の接続によって発生するデータ量に比べて、はるかに小さい。

 例えば、最近話題となっている自動運転車の世界では、図1の中ほどに示すように、1台当たり約4千ギガバイト/日のデータが生み出され、さらに、IoT化が進んだスマート工場では、その250倍の100万ギガバイト/日ものビッグデータが生み出されると言われている。

〔4〕ビッグデータの解析と新ビジネスモデル

 このようなデジタル化されたビッグデータを解析し活用することによって、従来とは異なる新しいビジネスモデルが生まれる可能性がある。そして、そのような新しいビジネスモデルを誕生させるために、企業には、

  1. いかに事業の効率化を進め、コストを削減していくか
  2. データをいかに保護し、リスク管理をしていくか
  3. 新ビジネスモデルによっていかに収益性を上げていくか
  4. 国際的に不安定な経済状況に対し、いかに俊敏に対応していくか

などが求められている。

 このような新ビジネス(デジタル・ビジネス)の世界では、まさにデータ自身が「新しい通貨のような価値」をもってIoT化が進展し、スマートな社会が展開されていく。さらにオンデマンド(リアルタイム)にセキュアなデータが要求されるようになる。

第3期を迎えたインテルのビジネス

 このようなデジタル・ビジネスの波(IoT時代)に対応し、創業48年を迎えているインテル注1は、第1期の半導体メモリ、第2期のマイクロプロセッサに続いて、現在(2010年以降)、第3のIoTによる成長期を迎え、図2に基づく戦略的サイクルを展開している。

図2 インテルの成長に向けた戦略的サイクル

図2 インテルの成長に向けた戦略的サイクル

出所 インテル株式会社 代表取締役社長 江田麻季子氏の講演資料より、2016年7月14日

(1)図2の下部に示すように、例えば、パソコンやタブレット、モノ、クルマ、ロボット、ウェアラブル、センサーなどいろいろなもの(Things&Devices)がつながり、

(2)それらから発生するデータは、図2の上部に示すクラウドやデータセンター(Cloud&Data Center)に送られて分析され、新しい知見やサービスがつくられて提供され、ユーザーはそれによって新しい体験(Experience)をしていく。

(3)このようなサイクルを加速させるために、インテルは新しいメモリやFPGA注2分野に多くの投資を行い、同時に図2の橙色の部分に示す接続性(Connectivity。ネットワーク)の技術にも重点的な投資を行っている。


▼ 注1
インテルは1968年にシリコンバレーに設立され、その第1期のビジネスは半導体メモリが主流であった。1980年代の中ごろからマイクロプロセッサ(CPU)の開発によって、パソコンの飛躍的な普及・拡大するなど第2期の成長期を迎え、現在第3期を迎えている。

▼ 注2
FPGA:Field Programmable Gate Array、ユーザー(電子回路の設計者)が自分の手元(現場:フィールド)で構成を設定できる、プログラム可能な集積回路(LSI)のこと。これによって、カスタムLSIが低価格で実現できるようになった。

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