[クローズアップ]

東京電力ホールディングス・柏崎刈羽原子力発電所における1〜7号機の現況と5つの最新ITシステムの展開

― 福島第1原発事故の教訓を踏まえ、チャットや手書きパッドなども開発へ ―
2016/07/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

去る2016年6月21日、新潟県に位置する東京電力ホールディングスの「柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原子力発電所・視察会」が開催され、同発電所を約7時間にわたって取材する機会を得た。現在、同発電所は1〜7号機の計821.2万kWがすべて停止中であり、新規制基準のもとで6号機、7号機が審査中という状況である。ここでは、この「視察会」の概要をレポートする。
まず、柏崎刈羽原子力発電所のプロフィールの後、原子力発電所の発電の仕組みを簡単に解説する。福島第一原子力発電所事故の後に建設された高さ15mの防潮堤をはじめ、同発電所の司令塔ともいうべき、緊急時対策所における5つの最新ITシステムによる新しい情報共有ツールの活用例を紹介する。さらに、同発電所の安全性に向けて大幅に整備された諸設備を紹介する。

柏崎刈羽原子力発電所のプロフィール

〔1〕1〜7号機の計821.2万kWが全面停止中

最初に、柏崎刈羽原子力発電所(図1、写真1)の全体像を、そのプロフィールとともに見てみよう。

図1 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の位置〔柏崎市と刈羽村(かりわむら)〕にまたがって建設)

図1 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の位置〔柏崎市と刈羽村(かりわむら)〕にまたがって建設)

出所 http://www.tepco.co.jp/kk-np/about/index-j.html

写真1 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の全景

写真1 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の全景

出所 東京電力ホームページ

1969年(昭和44年)3月に新潟県柏崎市、同年6月に刈羽村議会が誘致を決議し、30年前の1985年(昭和60年)に、柏崎刈羽原子力発電所の1号機が運転開始(運開)した。それ以降、順次、5号機、2号機、3号機、4号機、6号機が運開し、最後に1997年7月に7号機が運開し、総電気出力「821.2万kW」の原発として完成した(写真1)。その総敷地面積の広さは、図2に示すように3.2㎞(海岸線)×1.4㎞(陸側)にわたり、約420万m2(127万坪)と東京ドーム約90個分の広さであり、協力企業数約840社、構内従業員約6,500人(うち東京電力:約1,100人)が勤務している。

図2 柏崎刈羽原子力発電所の概要

図2 柏崎刈羽原子力発電所の概要

出所 東京電力ホールディングス「柏崎刈羽原子力発電所の現況について」、2016年6月21日

しかし、表1に示すように、2007年7月16日に発生した震度6強の新潟県中越沖地震で、2号機、3号機、4号機が運転を中止した。さらに、2011年3月11日の東日本大震災(震度7)によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故以降は、すべて運転を停止している。

表1 柏崎刈羽原子力発電所のプラント(1~7号機)の概要

表1 柏崎刈羽原子力発電所のプラント(1~7号機)の概要

出所 東京電力ホールディングス「柏崎刈羽原子力発電所の現況について」、2016年6月21日

〔2〕新規制基準の下で6号機、7号機の審査中

このような背景のもとに、2013年7月、従来の原子力発電所への規制基準が見直され、新規制基準が施行された。この新規制基準では、重大事故への備え、テロや航空機の衝突への備えなど、放射性物質の更なる拡散防止などの項目が新設された。また、地震・津波などの自然災害への備えや、電源・冷却設備の強化、防災対策の強化などが行われた注1

現在、6号機、7号機について、2013年9月に、この新規制基準に基づく適合性申請が行われ、現在、原子力規制委員会による審査が継続的に行われている。


▼ 注1
東京電力「柏崎刈羽原子力発電所における福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた対策について」、2016年5月

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