[新動向]

電力広域機関(OCCTO)が‘日本の電気の質’報告書を発表

― 東日本大震災後、初の「電圧」「周波数」「停電」を評価・分析 ―
2017/02/05
(日)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

周波数に関する実績とその分析結果

〔1〕周波数の調整目標

 電気事業法第26条では、「一般送配電事業者注3は、供給する電気の周波数を、経済産業省令に定める値に維持するように努めなければならない」と規定されている。この標準周波数(50/60Hz)は、供給区域(一般送配電事業者が電気を供給する区域)別に見ると、図2に示すようになっている。

図2 電力の供給区域と標準周波数区域

図2 電力の供給区域と標準周波数区域

出所 https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf

 電気の周波数維持の指標として、標準周波数(50/60Hz)から実測周波数が一定の変動幅に維持された時間の比率(時間滞在率)が用いられる。その時間滞在率の算出式は次の通りである。

 上式の指標に対して、各一般送配電事業者は、平常時の調整目標を表2のように設定している。

表2 各一般送配電事業者の供給区域の周波数調整ルール

表2 各一般送配電事業者の供給区域の周波数調整ルール

出所 https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf

〔2〕周波数時間滞在率の実績と分析結果

 平成24〜27(2012〜2015)年度区域別の周波数時間滞在率のデータ(表3~表12、図3~図12)注4は、送配電等業務指針第268条に基づいて、一般送配電事業者から受領した周波数に関する実績を集約し、分析された。

平成24〜27(2012〜2015)年度区域別の周波数時間滞在率のデータ(表3~表12、図3~図12)

平成24〜27(2012〜2015)年度区域別の周波数時間滞在率のデータ(表3~表12、図3~図12)

出所 https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/170105_denkinoshitsu.pdf

 平成27(2015)年度における、区域別の時間滞在率に関するデータの分析結果は、次の通りであった。

(1)すべての区域において、調整目標範囲の滞在率は100%であった。

(2)0.1Hz以内の滞在率目標を95%(前出の表2)としている中西区域についても、この目標値を上回っていた。

 以上のことから、周波数は、各区域の標準周波数と調整目標に応じて、適切に維持されていたと評価された。


▼ 注3
一般送配電事業者:現在、一般送配電事業者は北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10者である。なお、東京電力パワーグリッド以外の9者は、小売電気事業、一般送配電事業、発電事業の3事業を兼営している。

▼ 注4
『電気の質に関する報告書』表2〜表11、図2〜図11を参照のこと。
https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf

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