[新動向]

電力広域機関(OCCTO)が‘日本の電気の質’報告書を発表

― 東日本大震災後、初の「電圧」「周波数」「停電」を評価・分析 ―
2017/02/05
(日)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

電圧に関する実績とその分析結果

〔1〕電圧の維持すべき値

 また、一般送配電事業者は、電気事業法によって、供給する電力の電圧を一定の範囲内に収めることが定められている。維持すべきと定められている値は、表13の通りである。

 電圧の維持の指標としては、実測電圧が

表13に示す維持すべき値を逸脱した地点数(「逸脱地点数」という)と、測定地点数に対しての逸脱地点数の比率(「逸脱比率」という)を用いる。逸脱比率は、次の算出式で求められる。

〔2〕電圧 逸脱比率の実績

 平成24〜27(2012〜2015)年度区域別の電圧について、測定地点数、逸脱地点数および逸脱比率に関する平成27(2015)年度区域別の電圧実績データ注5から、すべての区域において維持すべき電圧を逸脱した実績はなかったと分析された。このため、電圧は各区域の標準電圧に応じて、適切に維持されていたと評価された。

停電に関する実績と評価

 停電に関する詳しいデータについては同報告書を参照していただくとして、停電の実績に関する評価〔平成27(2015)年度〕を中心に述べる。

 一部の自然災害の多い区域においては、供給支障注6件数および需要家停電実績について、実績の悪化が見受けられた。とくに台風15号(2015年8月)の影響が大きかった九州区域では、供給支障件数の増加が見られた。一方、全国計の実績では、供給支障件数、一定規模以上の供給支障件数および一需要家あたりの停電回数は過去6年のうち実績が最少であり、一需要家あたりの停電時間については、前年同様の水準であった。

 また、自然現象以外の原因による一定規模以上の供給支障の件数は、平成22〜26(2010〜2014)年の実績と比較して増加していない。

 以上のことから、停電実績の側面では、自然現象による局所的な変動はあるものの、全国的には設備不備などの構造的な要因による実績の悪化は認められず、平成27(2015)年度は、電気の供給に関する信頼性が保たれていた、と評価された。

 次に、欧米諸国と日本の停電実績の比較を見てみよう。


▼ 注5
『電気の質に関する報告書』表13〜表22を参照のこと。
https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf

▼ 注6
供給支障:電気工作物(※)の破損事故や誤操作等により、電気の供給が停止、または電気の使用が緊急に制限されることをいう。
(※)電気工作物とは発電、変電、送電、配電または電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物のこと。電気事業法によって定義されている。

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