[特別レポート]

2030年の再エネ24%導入を目指した電力系統運用の実証試験が開始!

― 東京都の離島新島と式根島で模擬実証 ―
2017/05/11
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

新島プロジェクトの目的:「出力予測」「出力制御」「需給運用」

 新島、式根島の両島合計の需要電力は、およそ1,900〜4,400kWである。

 すでに島内に設置され系統への連系を済ませている分と、新たに設置された発電設備を合計すると、太陽光発電設備の合計出力は約460kW、風力発電設備は約600kWで、これらを合計するとおよそ1,060kWとなる。これは両島の合計の最大需要(4,400kW)のおよそ24%に当たる数字に相当する(図1、表1)。

図1 新島実証設備配置図

図1 新島実証設備配置図

出所 http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100754.htmlより

表1 新島実証設備の概要

表1 新島実証設備の概要

WT :Wind Turbine 、風力発電 PV :Photovoltaic 、太陽光発電 PCS:Power Conditioning System
出所 「将来の電力システム改革を見据えた離島系統における再エネ導入実証試験(新島プロジェクト)〜概要〜」(東京大学、東京電力パワーグリッド、東光高岳:2017年3月17日)を元に編集部作成

 新設された阿土山の風力発電所の設置に当たっては、風況が良い東日本を想定して、風力発電の比率を高くしている(写真2)。

写真2 開所された阿土山風力発電所の外観(300kW×2台)

写真2 開所された阿土山風力発電所の外観(300kW×2台)

写真提供 株式会社東光高岳

 実証試験では、風力、太陽光などの再エネ発電設備の出力を予測し、その出力を適切に制御する。さらに、

  1. 現在の両島の主電源であるディーゼル発電機(出力7,700kW)との協調運用、
  2. 設置した蓄電池を活用して再エネによる余剰電力の吸収、
  3. 系統を流れる交流の周波数が乱れたときは蓄電池からの放電で安定を図る

などの課題に取り組む。

 最終的には、再エネによる発電設備を最大限受け入れ可能な系統運用システムの構築と、その評価までを予定している(図2)。

図2 「出力予測」「出力制御」「需給運用」の3つを検討する新島プロジェクト

図2 「出力予測」「出力制御」「需給運用」の3つを検討する新島プロジェクト

出所 「将来の電力システム改革を見据えた離島系統における再エネ導入実証試験(新島プロジェクト)〜概要〜」、東京大学、東京電力パワーグリッド、東光高岳、2017年3月17日

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