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東京電力、ホールディングカンパニー制および全面自由化に向けた体制整備で組織改編を7月に実施

2015/04/28
(火)
SmartGridニューズレター編集部

2015年4月28日、東京電力株式会社(以下:東京電力、東京都千代田区、代表執行役社長:廣瀬 直己)は、2016年4月を目途に導入するホールディング(HD)カンパニー制および全面自由化に向けた体制整備のため、2015年7月1日付けで以下の組織改編を実施することを発表した。

  1. 「フュエル&パワー・カンパニー」(分社化後の燃料・火力発電事業会社)
    フュエル&パワー・カンパニーは、全面自由化後の競争に勝ち抜くため、燃料上流から発電までのサプライチェーン全体において事業構造の抜本的見直しに踏み込み、世界とダイナミックに渡り合えるエネルギー事業者への変革を図っていく。このため、火力事業所を廃止し、本社-火力発電所の2階層の体制とすることにより、機動的な事業運営に対応する体制を整備するとともに、保修設計や人材育成等の一部機能を集中・高度化を行う。組織体制については、今後の包括的アライアンスの進捗にあわせて柔軟に見直していく。

     

  2. 「パワーグリッド・カンパニー」(分社化後の一般送配電事業会社)
    パワーグリッド・カンパニーは、全面自由化を踏まえ、電力供給の信頼度を確保したうえで国内トップの託送原価を実現し、事業運営の中立・公平性を向上しつつ、送配電ネットワークの利便性向上、運用の最効率化、他電力との協調を推進する。このため、原価低減や事業構造の見直し、広域運用の拡大等を行う機能を強化するとともに、スマートメーターの導入・運用のための体制や、低圧分野を含む託送関連業務の一元的な実施体制を整備する。なお、支店廃止に伴い、当社営業エリア内の都県庁所在地を中心に設置する総支社は、パワーグリッド・カンパニーが承継し、引き続き地域とのつながりを堅固にした事業運営を行っていく。

     

  3. 「カスタマーサービス・カンパニー」(分社化後の小売電気事業会社)
    カスタマーサービス・カンパニーは、顧客の立場に立ち、効率的なエネルギー消費を軸とした商品・サービスを提案・提供するとともに、他社とのアライアンスを活用し、全国の顧客へのワンストップサービスを実現していく。 このため、電気とガスの一体的な販売や多様なアライアンスを展開していくための「E&G事業本部」「暮らし&ビジネスサービス事業本部」を設置、市場に応じた機動的な販売拠点の整備など、競争環境に対応した小回りの効く組織体制へ抜本的な見直しを行う。

     

  4. 「コーポレート」(分社化後の持株会社)
    経営補佐機能を担うコーポレートには、「経営企画」、「渉外・広報」、「技術・環境戦略」、「原子力改革」の4つのユニットを新たに設置する。経営企画ユニットを中心に、全面自由化後の事業環境を踏まえた経営戦略立案、経営資源の最適配分、アライアンスや事業構造の転換などに柔軟かつ迅速に取り組んでいく体制を整備することで、グループ全体の企業価値最大化の実現を図っていく。なお、HDカンパニー制移行後の持株会社は、コーポレート(経営補佐)に加え、4つの社内カンパニー(福島第一廃炉推進カンパニー、リニューアブルパワー・カンパニー、経営技術戦略研究所、ビジネスソリューション・カンパニー)と福島復興本社(福島本部)、新潟本社(新潟本部)、原子力・立地本部から構成される。

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東京電力

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