[ニュース]

TDKと東芝、車載用インバーター事業に関する合弁会社を設立

2016/09/02
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2016年9月2日、TDK株式会社(以下:TDK、東京都港区、代表取締役社長:石黒 成直)と株式会社東芝(以下:東芝、東京都港区、代表執行役社長:綱川 智)は、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車向けの車載用インバータの開発、製造、販売を行う合弁会社「TDKオートモーティブテクノロジーズ株式会社」を設立することについて合意したことを発表した。

合弁会社設立の理由
地球温暖化をはじめとする大気汚染防止のための世界的な施策として、自動車の排気ガスに関する排出規制が2020年以降に格段に厳しいレベルに引き上げられることが世界各国にて計画されている。この規制強化の傾向は、世界の自動車市場に大きな影響を与えるとともに、今後、従来以上にハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車を中心とした世界市場での需要増加が見込まれ、さらに電気自動車や燃料電池自動車等、様々な環境対応車の世界的な普及拡大が見込まれている。
このような市場背景の中、現在、TDKでは、中長期の戦略成長製品の一つとして、主にハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の電源周辺のハードウェアと、それを司るソフトウェアで構成される「エネルギーユニット※1」のビジネスの強化を図っている。従来、TDKでは、車載用の「DC-DCコンバータ」をはじめ、「車載用充電器」、また現在開発中の「ワイヤレス給電システム」等を主な製品としてラインアップし、特に「DC-DCコンバータ」はTDKが得意とする磁性材料技術を生かし、最小クラス・高効率といった特長が評価され、世界市場で累計250万台を超える納入実績がある。
東芝との合弁会社設立によって、新たに車載用のインバータがTDKの製品ラインアップに加わることで、製品の幅が広がり顧客からの多様な要求に応えられるようになる等、TDKのエネルギーユニットのビジネスの拡大を期待する。

東芝は、車載用インバータと120年以上の技術の蓄積を持つモータ事業との連携により、自動車メーカーからの要請に応える低燃費技術を開発してきた。また、東芝の車載用インバータは、パワー半導体モジュールを搭載することで、短時間の高い放熱能力を実現したほか、小型化によるスペースの削減にも貢献している。今後も拡大が予想される車載用モータ・インバータ市場において、東芝が開発する高効率の車載用モータと、合弁会社が新たに開発する車載用インバータ、TDKが開発する「DC-DCコンバータ」を組み合わせ、ハイブリッド自動車や電気自動車等向けにシステムとして提案することにより、さらなる競争力の強化を目指す。

合弁会社の概要

社名 TDKオートモーティブテクノロジーズ株式会社
本店所在地 東京都港区芝浦三丁目9番1号(TDK株式会社内)
事業所所在地 千葉県市川市東大和田二丁目15番7号(TDKテクニカルセンター内)
三重県三重郡朝日町縄生2000番地
主な事業 車載用インバータの開発、製造、販売
資本金 4億円
出資比率 TDK:75%、東芝:25%
設立年月日 2016年10月1日(予定)
事業開始日 2016年12月1日(予定)

 


※ エネルギーユニットについて:TDKが中長期で強化している3つの戦略成長製品(センサ・アクチュエータ、エネルギーユニット、次世代電子部品)のうちの1つ。「電力変換機能」、「エネルギー制御機能」、「蓄電機能」を有する「ハードウェア」と「ソフトウェア」からなるユニットのこと。

■リンク
TDK
東芝

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