グラスフィアジャパンは2016年10月27日、ネットワークスイッチの新製品「グラスフィア ハイパワーPoE(PoE++)オールギガスイッチハブ」を発売した。価格はオープン。代理店経由で販売する。
図 グラスフィア ハイパワーPoE(PoE++)オールギガスイッチハブ
出所 グラスフィアジャパン
IoTのセンサーなど、末端に位置する機器には電力の供給が難しいことがある。商用電源を利用できれば良いのだが、コンセントからセンサーまでの距離が遠すぎる、通信に必要なケーブルに加えて電源ケーブルまで配線するには、機器が多すぎるなどといった場合だ。電池を利用できれば良いが、電池には寿命がある。電池の寿命が切れて交換するために機器のある場所まで行こうにも、すぐには行けないという場合も十分考えられる。
そういう場合の解決策の1つとして、Ethernet端子からの電力供給機能「Power over Ethernet(PoE)」がある。これを利用すればEthernetで利用するツイストペアケーブルで機器に電力を供給しながら通信もできる。しかし供給できる電力は1ポート当たり最大で15.4W。上位規格であるPoE+に対応する機器でも、1ポート当たりの供給電力は最大30W。
30Wでは足りないという声に応えて、IEEEは「IEEE802.3bt(PoE++)」という名称で1ポート当たり最大で80W供給できる規格の策定を進めており、現在はDraft 2.0の段階だ(2017年に規格制定の予定)。今回、グラスフィアジャパンが発売する製品は、Draft 2.0に準拠したPoEスイッチだ。1ポート当たり最大80Wの給電が可能になっている。今後は照明機器など、多くの電力を消費する機器にも通信機能が加わっていく。そのような機器への電力供給に適した製品と言える。
電力を供給できるポートを8つと、通信機能のみを持つポートを2つ備える。すべて、1000BASE-T対応で最大で1Gbpsの通信が可能だ。さらに、1Gbpsの通信に対応する光ケーブルのトランシーバースロットを2つ持つ。
給電可能な8つのポートのうち、80Wで供給できるのは最大で2ポートまで。その場合、ほかのポートの給電能力は最大60Wとなる。また、8つのポートの合計給電能力は最大500W。この値を超えると、特定のポートの給電能力が下がる。電源モジュールは内蔵しており、ACアダプタを用意する必要はない。
また、Webブラウザでアクセスできる管理画面を用意しており、各ポートの稼動状態を確認したり、給電を一時止めるなどの操作が可能になっている。
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グラスフィアジャパン