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三菱商事、ベルギーで出力370MWの大規模洋上風力発電事業に参画

2016/12/14
(水)
SmartGridニューズレター編集部

三菱商事は、ベルギーで建設予定の大規模洋上風力発電所の事業に参加すると発表した。

三菱商事は2016年12月14日、ベルギーで建設予定の大規模洋上風力発電所の事業に参加すると発表した。三菱商事の100%子会社であるDiamond Generating Europe社と、オランダ公営のエネルギー事業会社であるEneco社で50%出資して新会社を作り、その新会社が今回の洋上風力発電所の事業を手がける会社の50%の株式を保有する。残りの50%はベルギーの地方自治体が出資するエネルギー・通信企業Nethys社が保有する。

計画では、ベルギー沖合約23kmの北海海域に「Norther(ノーザー)洋上風力発電所」を建設することになっている。2017年1月から建設を開始し、2019年夏頃の運転開始を目指しているという。

図 Norther洋上風力発電所の建設予定地。遠浅で水深は約20m

図 Norther洋上風力発電所の建設予定地。遠浅で水深は約20m

出所 三菱商事

設置する風力発電機は三菱重工とデンマークVestas社が共同出資で設立したMHI Vestas社のもの。最大出力8.4MWの発電機を44基設置する。合計すると最大出力は約370MW(36万9600kW)。これはベルギーでは最大の規模であり、世界的に見ても最大級のものだ。

図 設置する風力発電機のイメージ

図 設置する風力発電機のイメージ

出所 三菱商事

日本の経済産業省や国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、洋上風力発電の設備利用率はだいたい30%。この数字を当てはめて計算すると、Norther洋上風力発電所の年間発電量は約97万MWh(約9億7000万kWh)。一般世帯の年間電力消費量を3600kWhとすると、約27万世帯分の電力を作ると予測できる。ただし、経済産業省とNEDOの算出した数字は日本に建設することを想定したものだ。北海は日本周辺よりも強い風が吹く。そう考えると、年間発電量がさらに上がる可能性もある。

三菱商事は今後もヨーロッパを中心にして洋上風力発電の事業に取り組んでいくとしている。


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三菱商事

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