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アクセル踏み間違い事故が7割減少、トヨタが自社開発の安全支援技術の成果を発表

2016/12/26
(月)
SmartGridニューズレター編集部

トヨタ自動車は、同社独自の安全支援技術「インテリジェントクリアランスソナー」の効果を示す調査結果を発表した。

トヨタ自動車は2016年12月26日、同社独自の安全支援技術「インテリジェントクリアランスソナー」の効果を示す調査結果を発表した。インテリジェントクリアランスソナーは、車体が備えるセンサーを利用して障害物を検知するシステム。アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進時に、衝突による被害を回避あるいは軽減できる。トヨタ自動車は2012年発売のクラウンに初めて搭載して以来、改良を重ねてきた。

トヨタ自動車は2015年1月発売の「アルファード」「ヴェルファイア」で、インテリジェントクリアランスソナーに最新の改良を加えた。具体的には車体に搭載するセンサーを増やし、検出可能距離を延長し、検出可能範囲を拡大した。そのために制御ソフトウェアの改良も実施した。その結果、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進時だけでなく、駐車場内で低速で移動、車庫入れをしているときに隣接車両や障害物との衝突を回避、あるいは衝突したとしても被害を軽減できるようになった。インテリジェントクリアランスソナーは一部上位グレードの標準装備になっているほかは、メーカーオプションとなっている。

図 車両後退時にインテリジェントクリアランスソナーが働く様子

図 車両後退時にインテリジェントクリアランスソナーが働く様子

出所 トヨタ自動車

今回の調査対象車種は前出のアルファードとヴェルファイア。さらに、2015年12月発売の「プリウス」も対象とした。このプリウスが備えるインテリジェントクリアランスソナーにも、上で述べた改良が加わっている。基本的にメーカーオプションであることも同様だ。

調査対象となる車両台数は約6万3000台。すべて、アルファード、ヴェルファイア、プリウスだ。そのうち、インテリジェントクリアランスソナーを装備していた車両は約2万6000台。搭載率は42%になる。調査期間は2015年1月~2016年6月までの18カ月間。調査対象となった車両の保有者が契約している自動車保険会社が持つ、約2500件の事故データを調査した結果、インテリジェントクリアランスソナーを装備した車両は、装備していない車両に比べて、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の件数が約7割低かったという。また、車庫入れなどの後退時の事故も約4割少なかった。

インテリジェントクリアランスソナーがどのように働くのかを示す動画

出所 トヨタ自動車

ちなみに、今回調査対象となった車両がオプションとして備えるインテリジェントクリアランスソナーは、「アリオン」「プレミオ」「LEXUS RX」でも利用できる。トヨタ自動車は今後、より幅広い車種にインテリジェントクリアランスソナーを搭載できるよう、開発を進めていくとしている。


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トヨタ自動車

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