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ディープラーニングで石炭火力発電所の燃焼状態を調整、三菱日立パワーシステムズが台湾で実験

2017/01/11
(水)
SmartGridニューズレター編集部

三菱日立パワーシステムズは、石炭火力発電所のボイラー燃焼状態の自動調整を目指して、ディープラーニングを利用したシステムを開発したと発表した。

三菱日立パワーシステムズは2017年1月10日、石炭火力発電所のボイラー燃焼状態の自動調整を目指して、ディープラーニングを利用したシステムを開発したと発表した。台湾にある発電所で実験を実施したところ、ベテラン技師による手動調整と遜色ない結果が得られたという。

実験の場となったのは台湾公営の電力会社である台湾電力が保有する「林口(リンコウ)火力発電所」。台北市の中心から西に20kmほどの距離にある林口区で建設中の発電所だ。出力80万kW(800MW)の最新鋭の石炭焚き超臨界圧火力発電設備を3基設置する計画となっており、1基はすでに商業運転を開始している。2基目も今春に商業運転を開始する予定だ。

図 林口火力発電所の全景

図 林口火力発電所の全景

出所 三菱日立パワーシステムズ

石炭火力発電所のボイラーを燃焼させるときは、排ガスの特性、燃焼バランス、蒸気温度、ボイラーの利用効率などの値を最適に保つことで、最大の効率で燃焼させることが可能になる。技師はそのために、投入する石炭の量やボイラーの圧力、注入する空気の量などさまざまなパラメータを調節する。

今回の実験では、事前にディープラーニングのシステムに技師が調整するパラメータ値と、その結果である燃焼状態を示すさまざまな値を入力して学習させた。その後で、実際のボイラーの運転パラメータをディープラーニングのシステムに提案させてみた。その結果、ディープラーニングのシステムが提案する値が、ベテラン技師の設定値とほぼ同じになることを確認したという。

三菱日立パワーシステムズは、ボイラーの燃焼効率向上だけでなく、発電所の運転コストや保守管理コストを管理して発電コストを下げたり、不具合や故障の予兆を検知するなどの用途にもディープラーニングを活用した実験を進めている。2017年後半には、先述の機能を備えたシステムを国内外の電力会社に提案できるところまで開発が進む見通しだ。


■リンク
三菱日立パワーシステムズ

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