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センサーで看板の状態を検知しデータをクラウドに集積、ザイマックスとオプテックスが共同で実証実験

2017/02/07
(火)
SmartGridニューズレター編集部

ザイマックスとオプテックスは、看板の遠隔監視、保守サービス提供に向けた実証実験を開始したと発表した。

ザイマックスとオプテックスは2017年2月7日、看板の遠隔監視、保守サービス提供に向けた実証実験を開始したと発表した。店舗などの看板に、揺れや傾きを検知するセンサーを取り付け、遠隔地から一括監視を可能にするシステムについて、どれほど役立つのかということや、商用サービス提供に向けた課題などを検討する。

図 今回検証するシステムの概要

図 今回検証するシステムの概要

出所 ザイマックス

実験では、看板に取り付けたセンサーが検知した「傾き」や「揺れ」などのデータを無線通信でクラウド上のサーバーに送信する。サーバー側ではデータの推移を「看板の状態変化」と捉え、早期メンテナンスの計画立案、実際の点検作業、補修工事に役立てる。無線通信方式については、LPWA(Low Power Wide Area)など複数の方式から最適なものをこの実験を通して見極めるとしている。

実験はすでに始まっており、実際の看板にセンサーを取り付けてデータの収集を始めている。センサーを取り付けた看板の数は、東京都内に11基、愛知県内に6基、大阪府内に3基の合計20基。

看板の設置状況の検査は、実は大掛かりな作業だ。まず、看板を人間が確認するために、高所作業車を手配する必要がある。高所作業車を看板下に置いて作業するには道路使用許可を取らなければならない。日常の点検は下から看板を見上げて目視で確認する程度にとどまっている例が多い。その目視確認にも、異常と判断する基準が存在しないため、精度が問題と言える。そして看板は風雨や日光にさらされる高所に設置してあるため、見えないところで確実に劣化が進んでいる。実際、老朽化した看板が落下する事故が全国で多発している。

このシステムが実用のものになれば、センサーが拾ったデータによって看板の設置状態を数値化できるので、より確実な判断が可能になる。高所作業車の手配も道路使用許可の取得も必要ない。ザイマックスとオプテックスは、今回の実験で明らかになった課題を解決し、得られた知見を活用して、看板の状態を遠隔監視するシステムと保守サービスを実用化することを目指している。


■リンク
ザイマックス
オプテックス

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