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東日本大震災の被災地に32.3MWのメガソーラー、2018年12月稼働開始を目指して着工

2017/02/15
(水)
SmartGridニューズレター編集部

住友商事、みずほ銀行、東芝、大成建設の4社は、福島県南相馬市で大規模太陽光発電所の建設を始めたと発表した。

住友商事、みずほ銀行、東芝、大成建設の4社は2017年2月13日、福島県南相馬市で大規模太陽光発電所の建設を始めたと発表した。2018年12月に稼働開始の予定。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)は東芝と大成建設が担当し、太陽光発電モジュールとパワーコンディショナーは東芝製を採用する。運転開始後の運用は住友商事と住友商事東北が出資して設立する「ソーラーパワー南相馬・原町株式会社」が担当する。みずほ銀行はこの会社に融資する。

図 太陽光発電所の所在地

図 太陽光発電所の所在地

出所 住友商事

新設の太陽光発電所は、福島県南相馬市原町(はらまち)区の「下渋佐(しもしぶさ)」「萱浜(かやはま)」の両地区(2地区をまとめて「原町東地区」とも呼ぶ)にまたがる形で建設する。東日本大震災で被災した土地だ。南相馬市から用地を賃借して事業を展開する。敷地面積は約46ha(約46万m2)。ここに東芝製の太陽光発電モジュールを約12万枚設置する。合計最大出力は約32.3MW(約3万2300kW)。住友商事ら4社は年間発電量を細かくは予想していないが、一般家庭の年間消費電力量に換算して、約1万世帯分の電力を発電する見込みだという。

発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、全量を売電する。大部分を東北電力に売電し、残りを住友商事100%出資の子会社であるサミットエナジーに売電する。サミットエナジーは自ら発電所を運営しながら電力小売事業を手掛けている。売電単価は非公開。

今回の事業に携わっている4社は、同じ福島県相馬市で合計最大出力が約59.9MW(約5万9900kW)の大型太陽光発電所の建設を進めている。2016年5月に着工しており、2018年3月の運転開始を予定している。一般家庭の年間消費電力量に換算して、約2万世帯分の電力を発電する見込みとなっている。この太陽光発電所は、住友商事が日本国内で事業として手がける太陽光発電所としては最大のものになる。

ちなみに、南相馬市は2012年10月に策定した「南相馬市再生可能エネルギー推進ビジョン」で、2030年には市内で消費する電力のほぼ100パーセントを再生可能エネルギーに由来するものにするという目標を掲げている。


■リンク
住友商事
みずほ銀行
東芝
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