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「コンビニを発電所に」、ローソンが慶應SFC研究所と共同で実証実験へ

2017/02/16
(木)
SmartGridニューズレター編集部

ローソンは、経済産業省の「バーチャルパワープラント構築実証事業」の一環として、新設の店舗で実証実験を実施すると発表した。

ローソンは2017年2月13日、経済産業省の「バーチャルパワープラント構築実証事業」の一環として、新設の店舗で実証実験を実施すると発表した。慶應義塾大学SFC研究所と共同で採択を受けたもので、実証実験も同研究所と共同で実施する。

実証実験の場となるのは現在建設中の「ローソン小平天神町二丁目店」。2月17日の開店を予定している。発電設備、蓄電設備、省エネ設備を導入して、発電しながら消費電力量を抑えることで、外部から調達する電力量を、同社の標準的な店舗の2015年度の量と比べておよそ6割削減する見込みだとしている。また、ECHONET Liteに対応した機器を多数導入して、遠隔制御による節電を可能にしている。

図 「ローソン小平天神町二丁目店」の外観イメージ(左)と、店舗の断面図(右)

図 ローソン小平天神町二丁目店」の外観イメージ(左)と、店舗の断面図(右)

出所 ローソン

発電設備としては、店舗の屋根の上に太陽光発電設備を設置する。合計最大出力は22kWで、12kW分を店舗内の電力に当て、10kW分は売電に回す。さらに、蓄電容量が5.6kWhの定置型蓄電池も設置する。太陽光発電設備で発電した電力を蓄電する。ECHONET Liteに対応しており、インターネット経由で充放電の遠隔制御が可能になっている。

省エネ機器としては、二酸化炭素を冷媒に利用した冷凍冷蔵機と要冷ケース(冷蔵機能を持つ陳列棚)、LED照明、除湿機能も備える放射パネル空調機を導入する。どの機器もECHONET Liteに対応しており、遠隔制御が可能だ。要冷ケースにはガラス扉を取り付けて、外気侵入と冷気漏れを防いで節電につなげる。放射パネル空調機は、冷却時に結露によって発生する水分を排出することで、冷却しながら除湿する。

さらに、店舗の天井に勾配を付けて、店内の暖気が低い位置から高い位置に自然に流れる設計とした。空気の循環、排気を促す設計にすることで、空調や換気の効率を上げ、空調機器の使用率を下げる。天井の最も高いところには、窓を設置する。昼間はこの窓からの自然光を照明に利用する。加えて、天井に集まった暖気を排出する役割も担う。この窓もECHONET Liteに対応しており、遠隔操作で開け閉めが可能になっている。

地中熱も利用する。床下に地中熱を吸気する「ピット」を設け、店舗で地中熱を利用できるようにした。地中熱は年間を通して温度変化が少なく、空調に有効利用できる。この工夫でさらに空調機器の使用率を下げる。

エネルギー消費量を抑える設計を採用したことにより、この店舗は一般社団法人 住宅性能評価・表示協会による「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」の5つ星認定と、ZEB認証を受けている。これは、コンビニエンスストアとしては日本初のことだという。

以上の設備を活用して、電力消費量を下げ、節電によって使わずに済んだ電力(ネガワット)の量を算出する。経済産業省は2017年4月に「ネガワット取引市場」の開設を予定しているが、市場開設に先立ってネガワットを算出する仕組みを作る。

ローソンは2009年にはLED照明、2010年には二酸化炭素を冷媒に利用した冷凍冷蔵機、2012年には太陽光発電設備を店舗に導入するなど、節電と発電に積極的に取り組んできている。これまでの成果に加えて、今回の実験の結果も検証しながら、全国の既設店舗に以上の3つの機器の導入を進めていくとしている。


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