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LoRaWANのアジア向け規格対応通信モジュール、3月末に発売に向け量産開始

2017/02/27
(月)
SmartGridニューズレター編集部

Braveridgeは、LoRaWANのアジア向け拡張規格である「AS923」に対応した通信モジュールを開発したと発表した。

Braveridgeは2016年2月22日、LoRaWANのアジア向け拡張規格である「AS923」に対応した通信モジュール「BVMLRS923N52S」を開発したと発表した。LoRaWANだけでなく、Bluetooth 4.2の通信機能を持つ。3月末の出荷開始に向けて量産を始める。サンプル価格は1個2000円。このモジュールを搭載した評価ボードも、3月末に出荷を始める予定だ。

図 Braveridgeが開発したLoRaWAN通信モジュール「BVMLRS923N52S」。大きさは22mm四方

図 Braveridgeが開発したLoRaWAN通信モジュール「BVMLRS923N52S」。大きさは22mm四方

出所 Braveridge

このモジュールはノルウェーNordic semiconductor社のSoC「nRF52832」と、米Semtech社の無線トランシーバチップ「SX1272」を搭載する。モジュールの寸法は22×22×1.9mm。nRF52832はARMの「Cortex-M4」プロセサコアを搭載しており、Nordic semiconductorが開発したBluetooth 4.2のプロトコルスタック「S132」をプロセサコアで実行させることで通信機能を実現している。nRF52832はBluetoothが利用する2.4GHz帯の通信機能を備えている。

Braveridgeは、nRF52832で動作するLoRaWANプロトコルスタックを独自開発し、このモジュールに搭載した。さらに、LoRaWANで利用する920MHz帯の無線通信機能を持たせるために「SX1272」を搭載した。開発したLoRaWANプロトコルスタックを、LoRaWANライブラリとして提供することも予定している。

LoRaWANには、消費電力と通信性能がそれぞれ異なる3種類の「クラス」がある。消費電力が最も低いのが「クラスA」で、最も電力を消費するのが「クラスC」。その中間となるのが「クラスB」だ。Braveridgeは今回開発したモジュールが、日本国内では初めてクラスAとクラスCの両方に対応したとしている。クラスBには4月末に対応する予定だ。

LoRaWANとBLEを同時に使用したときの消費電力は、スタンバイ時が4.5μAで、送信時が46mA、受信時は16mA。外部との接続インタフェースとして、11ピンのGPIO(General Purpose Input/Output)など、合計64ピンを備えている。このモジュールを中心として、センサーと電源を取り付けて、nRF52832 SoCで動作するプログラムを作ることで、小型のセンサー機器を作ることもでき、より性能の高いプロセサを搭載したボードに組み込むことで無線通信機能を提供することもできる。Braveridgeはこのモジュールの量産開始によって、LoRaWANを「PoC(Proof of Concept:概念実証)から商用サービスへ移行を加速させたい」と、モジュールの出来に自信を見せている。


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Braveridge

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