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PythonでIoTのセンサー機器のプログラムを作れる、センシグナルが3G通信モジュールのベータ版提供開始

2017/02/27
(月)
SmartGridニューズレター編集部

センシグナルは、IoTのセンサー機器に向けた通信モジュール「obsidian」を開発したと発表した。

センシグナルは2016年2月22日、IoTのセンサー機器に向けた通信モジュール「obsidian」を開発したと発表した。合わせて、一部取引先を対象としてベータ版の提供も開始した。4月ごろには一般ユーザーを対象にベータ版提供を始め、2017年第2四半期の一般発売を目指すとしている。

図 通信モジュール「obsidian」の表(左)と裏(右)

図 通信モジュール「obsidian」の表(左)と裏(右)

出所 センシグナル

obsidianの特徴は、プログラミング言語Pythonで作成したプログラムが動作すること。Pythonのバージョン2.7に対応する。IoTのセンサー機器などの組み込み機器では、C/C++言語を使って、開発者がメモリ管理に責任を持ってプログラムを作成するのが一般的だ。

obsidianではC/C++よりもはるかに習得が容易なPythonの実行環境を用意した。Pythonはプログラム作成時に、変数を格納する「型」を事前に宣言する必要がなく、メモリ管理もPythonの実行環境が受け持ってくれるなど、習得が容易な言語だ。

ただし、Pythonプログラムは、C/C++プログラムのように「コンパイル」せずに、記述したプログラムをそのまま実行する方式を採る。C/C++プログラムをコンパイルすると、プロセサが直接理解できるバイナリファイルを生成でき、バイナリファイルはほかのどの形式よりも高速に動作する。コンパイルの過程を経ずに実行するPythonプログラムは、性能ではC/C++プログラムに劣る。プログラムの作りやすさのために性能を犠牲にしても、大きな問題にはならないという判断だろう。Pythonで利用できるさまざまなライブラリも提供するというところからも、作りやすさを重視していることが分かる。

obsidianは、通信機能としてNTTドコモの3G通信機能を備える。技適(工事設計認証)取得済みで、NTTドコモの相互接続性試験も通過している。さらに、NTTドコモのSIMカードだけでなく、ソラコムやインターネットイニシアティブのSIMカードでも動作することを確認しているという。

obsidian単体では、3G通信の機能しか使えないので、IoTのセンサー機器に仕上げるには拡張する必要がある。センシグナルはobsidian専用の拡張基盤「leaf」を提供する。現状では、obsidianが備える拡張ピンをすべて引き出して、「ブレッドボード」の搭載を可能にする「Developer Leaf」と、「ユニバーサル基板」として使える「Universal Leaf」の2種類を提供する。ブレッドボードも、ユニバーサル基板も、プリント基板を用意することなく機器の試作を可能にするボードだ。

センシグナルはleafを順次拡充していく計画を明らかにしている。温湿度と気圧を測定できるセンサーを搭載したものや、GPSを搭載したもの、メッシュネットワーク通信機能wを搭載したもの、ArduinoやRaspberry PIと接続するものなどの投入を計画している。

さらに、obsidianからデータを受け取るクラウド環境「NETDWARF cloud」も提供する。メッセージやデータ、ファイルの送受信に対応する。obsidianからNETDWARF cloudに接続してデータの送受信などの機能を備えるライブラリも提供する。obsidian自体はHTTP、HTTPS、SMTP、TCP、UDPの各プロトコルを利用することで、ほかのクラウドサービスに接続できるようになっているが、NETDWARF cloudなら、ライブラリを利用することで簡単に接続できる。

センシグナルはobsidianの一般販売が始まった後は、初年度に1万台を出荷できると見込んでいる。また、obsidianのほかにも通信機能を提供する機器を開発、提供していくことも検討している。


■リンク
センシグナル

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