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農場の様子をセンサーで検知してLPWAで送信、サービス提供に向けて南島原市で実証実験実施

2017/03/01
(水)
SmartGridニューズレター編集部

ハタプロとセラクは、長崎県南島原市の農場でLoRaWAN通信の実証実験を実施し、良好な結果を得られたと発表した。

ハタプロとセラクは2017年2月27日、長崎県南島原市の農場でLoRaWAN通信の実証実験を実施し、良好な結果を得られたと発表した。セラクは農業向けクラウドサービス「みどりクラウド」を運営しており、南島原市でもサービスを提供している。また、「南島原農業IT研究所」を設立し、南島原市と共同でIoTを活用して農作業の効率向上に向けた研究開発活動を続けている。

南島原市は農業が盛んな地域だが、火山活動の影響で土地の高低差が大きく、大規模な農地を展開することが困難となっている。多くの生産者は小規模な農地で生産活動の取り組んでいるが、高低差のため農地の見回りも重い負担と長い時間がかかる作業となっており、効率向上が大きな課題となっている。

ハタプロとセラクによると、LoRaWANなど920MHz帯を利用するLPWA(Low Power Wide Area)通信方式は、南島原市のような高低差がある土地で上手く利用すると、通信可能な範囲がより広がるという。そこで、「みどりクラウド」利用者の農場と遠隔地をLoRaWANで通信できるか実験で確認した。

ハタプロはNTTドコモと共同で、IoTサービスの実用化を支援するサービスを展開している。今回は、NTTドコモが持つLPWA技術や通信エリアを分析するノウハウを活用し、通信機器やゲートウェイの開発から通信エリア設計、実験データの取得分析まで実験環境構築を包括的に担当した。

実験は2016年12月16日に、それぞれゲートウェイと通信機器の設置位置を変えた2パターンで実施した。1パターン目では、ゲートウェイを南島原農業IT研究所(旧山口小学校)に設置し、350m離れたイチゴ栽培場との通信を試みた。2パターン目では、ゲートウェイをながさき南部生産組合に設置し、1500m離れたトマト栽培場との通信を確認した。

図 今回の実験で、ゲートウェイと通信機器を設置した地点

図 今回の実験で、ゲートウェイと通信機器を設置した地点

出所 ハタプロ

実験の結果、どちらのパターンでも安定した通信が可能だった。商用運用も十分に見込めるレベルだとしている。実験では通信の暗号化や、インターネット上の認証サーバーを経由した通信も試み、問題ないことを確認している。

みどりクラウドは、温度、湿度、日射量、土壌水分、CO2濃度、土壌の肥料含有率をそれぞれセンサーで検知し、クラウドにデータを送信するサービス。利用者はクラウドのサーバーにアクセスすることで、それぞれの値の推移を確認できるので、農場見回り作業の負担が軽くなる。現在、みどりクラウドは各センサーを「みどりボックス」という機器に接続し、そこから3G通信、あるいは無線LANでクラウドと通信している。

図 みどりクラウドのサーバーにアクセスすることで、農場の環境を数値で確認できる

図 みどりクラウドのサーバーにアクセスすることで、農場の環境を数値で確認できる

出所 セラク

両社は今回の実験成功により、みどりボックスにLoRaWAN通信機能を組み込んで、みどりクラウドのサービスに利用できると今後の見通しを明かした。今後、南島原市内をカバーするLoRaWAN通信網を構築し、地域の農作業の効率向上を支援していくことを予定しているという。


■リンク
ハタプロ
セラク

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