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キャスターが回転する力で発電してビーコンを発信、商業施設などを対象とした位置情報サービスが登場

2017/03/07
(火)
SmartGridニューズレター編集部

大日本印刷とスター精密は、商業施設などで設備の位置を把握することを可能にするサービスを発表した。

大日本印刷とスター精密は2017年3月6日、商業施設などで設備の位置を把握することを可能にするサービスを発表した。2017年4月からサービス提供を始める。商業施設、駅、空港、倉庫、工場、病院、研究機関などでの利用を想定している。

このシステムは、最規模施設の中で使用している設備の位置情報を把握することを可能にする。施設の各所にゲートウェイを設置し、設備が発信するBluetoothビーコンを受信することで、設備のおおよその位置を特定する。

大日本印刷は、このサービスを司るクラウド基盤の構築を担当する。各設備の備品管理から、それぞれの設備の現在位置、移動状況を把握し、管理者向け画面に情報を図などの形で視覚化して提示する。

図 大日本印刷が構築するクラウド基盤

図 大日本印刷が構築するクラウド基盤

出所 大日本印刷

このシステムの最大の特徴はBluetoothビーコンを発信する仕組みにある。ショッピングカートや台車などの取り付ける小さな車輪である「キャスター」で発電し、Bluetoothビーコンを発信しているのだ。回転するキャスターにコイルと磁石を仕込んで、回転するたびに発電する仕組みを組み込んだ。Bluetooth Low Energyを利用しているので、ビーコン発信にそれほど大きな電力を必要としないという点も注目すべきだろう。

図 キャスターにコイルと磁石を仕込んで、Bluetoothビーコンの発信に必要な電力を発電する

図 キャスターにコイルと磁石を仕込んで、Bluetoothビーコンの発信に必要な電力を発電する

出所 大日本印刷

無線センサー機器の設計では、電源が大きな課題になる。なるべく少ない電力で電波を発信できるように工夫した方式が色々登場している。代表例がLPWA(Low Power Wide Area)と呼ぶ無線通信技術群だ。使い方にもよるが、このような新しい無線通信技術を利用すれば、電池だけで10年間稼働を続けられるというたうセンサー機器もある。しかし、電池を電源としている以上、いずれ電源が切れる。そうなったら電池の交換だ。大量にばらまいたセンサー機器の電池を交換して回るのは、重い負荷がかかる重労働になるだろう。

その点、今回大日本印刷とスター精密が採用した手法は優れている。人間がショッピングカートや台車などの設備を動かすことで発電し、その電力でビーコンを飛ばすのだから、電池すら必要ない。

ちなみに、今回の発表前に成田国際空港で、このシステムの実証実験を実施している。成田国際空港内のカートにBluetoothビーコンを発信するキャスターを付けて、カートの位置を把握するシステムを作った。ゲートウェイは空港内の10カ所に設置し、ビーコンを受け取ってクラウドに情報を送信した。実験の結果、分散しがちなカートの位置を把握できたとしている。

図 成田国際空港で実施した実証実験の様子

図 成田国際空港で実施した実証実験の様子

出所 大日本印刷

大日本印刷とスター精密は、このシステムを利用することで例えばショッピングセンターなら、分散したショッピングカートの回収作業向上が見込めるとしている。また、倉庫、向上での台車などの管理に利用することで、適切な台数での運用が可能になるという。台車が不足している状況で稼働状態を見れば、不足していることがすぐに分かり、追加導入の手配を早々に整えることができる。また、盗難な施設外への無断持ち出しの抑制にも効果があるとしている。

利用価格は初期費用が30万円(税別:以下同様)。クラウド基盤の利用料が月額16万円から。また、ビーコン発信機能を持つキャスターを管理するAPIも提供する。この利用料は月額6万円から。ビーコンを発信するキャスターは、受注個数によって価格が変わるので、個別見積もりとなっている。


■リンク
大日本印刷
スター精密

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