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東京電力HDが家庭向けに蓄電池を提供するイギリス企業に出資、蓄電池余剰電力の集約と販売のノウハウが狙い

2017/04/05
(水)
SmartGridニューズレター編集部

東京電力HDは、イギリスのベンチャー企業Moixa社に出資したと発表した。

東京電力ホールディングス(東京電力HD)は2017年4月4日、イギリスのベンチャー企業Moixa社に出資したと発表した。出資額は50万ポンド(約7000万円)で、出資比率は3%となる。出資の狙いは、Moixa社がイギリスで展開している事業のノウハウを得ることにある。

Moixa社は、イギリスの一般家庭に蓄電池を販売、リース、設置する事業を営んでいる。ただし、ただ蓄電池を提供するだけではない。同社が設置した多数の蓄電池を同社のサーバーで制御し、蓄電池の余剰電力を集めて、事業者に販売しているのだ。

例えば設置費用が2100ポンド(約30万円)の蓄電池(蓄電容量は2kWh)を家庭に設置すれば、その家庭はMoixa社に余剰電力を売電した収入などが得られるので、年間でおよそ210ポンド(約3万円)ほど、電気料金を節減できる。10年で初期投資を回収できる計算だ。Moixa社は蓄電池に合わせて太陽光発電システムも販売しており、合わせて導入した家庭は、より大きな電気料金節減効果が得られる。東京電力HDは今後、蓄電池のコストダウンが進み、より安い価格で家庭に蓄電池を導入できるようになり、より短い期間で初期投資を回収できるようになるという見通しを示している。

図 Moixa社の事業の流れ

図 Moixa社の事業の流れ

出所 東京電力ホールディングス

日本では再生可能エネルギーの固定価格買取制度の効果もあって、太陽光発電設備の導入が急速に進んだ。太陽光発電による電力は、気候や時間によって出力が大きく変動する不安定な電源だ。太陽光発電設備の出力の急増、急落によって、電力系統に流れる交流電流の周波数が乱れるなどの問題も発生している。

東京電力HDは今後、太陽光発電をより有効に活用するために蓄電池がの普及が進むとも考えている。また、周波数調整を目的とした電力供給の市場が整ったら、Moixa社のように各地の蓄電池から集約した電力を販売することが新しい事業となる可能性があるとも考えている。今回の出資を契機に、東京電力HDはMoixa社のイギリスでの事業のノウハウを獲得し、日本国内で同様の事業を展開できないか検討するとしている。


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東京電力ホールディングス

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