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大阪ガスと出光興産が計画中のLNG火力発電所、環境影響評価方法書と知事意見書が経産相へ

2017/04/21
(金)
SmartGridニューズレター編集部

兵庫県は、大阪ガスと出光興産が建設を計画している火力発電所について、環境影響評価方法書に兵庫県知事の意見を添えて経済産業大臣に提出したと発表した。

兵庫県は2017年4月19日、大阪ガスと出光興産が建設を計画している火力発電所について、環境影響評価方法書に兵庫県知事の意見を添えて経済産業大臣に提出したと発表した。大阪ガスと出光興産は2016年2月、姫路市の瀬戸内海湾岸にある出光興産所有地に合計出力およそ1.8GW(180万kW)の火力発電所を建設する計画を発表している。2016年4月には、この事業の準備を進めるために共同出資で「姫路天然ガス発電株式会社」を設立している。出資比率は大阪ガスが66.66%で、出光興産が33.34%。

図 火力発電所の建設予定地。左が広域図で右が拡大図

図 火力発電所の建設予定地。左が広域図で右が拡大図

出所 大阪ガス

発電所の建設予定地は兵庫県姫路市飾磨区妻鹿日田町(しかまくめがひだちょう)。出光興産が所有する製油所の跡地だ。ここに液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)を燃料とするガスタービンコンバインドサイクルの発電設備を設置する計画となっている。2022年度に第1期工事が完了して運転を開始する予定だが、この時点での最大出力はおよそ1GW(100万kW)。2026年度には工事が全て完了し、その時点では出力がおよそ1.8GW(180万kW)となる予定。

姫路天然ガス発電は2016年4月には「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣、兵庫県知事、姫路市長に提出している。さらに2016年11月には「環境影響評価方法書」を提出している。環境影響評価方法書とは、発電所などを建設、稼働させることによる環境への影響をどのような手法で調査し、どのような尺度で評価、予測するかを記載した文書だ。事業者はこの文書に記載した方法で環境影響評価(環境アセスメント)を実施する。

今回は、姫路天然ガス発電が提出した環境影響評価方法書に兵庫県知事からいくつか注文が付いた。まず知事は、建設予定地が火力発電所の立地が集中している地域てあることを指摘し、環境負荷が小さいLNG火力発電所とはいえ、新設して運転を開始することで、地域環境に影響が及ぶ可能性があることを指摘した。さらに、環境基準を達成していない地点もあるという事実を挙げ、大気環境の改善が必要な地域であるとした。そこで、特殊な気象条件における短期的な排出ガス濃度、窒素酸化物濃度の調査、予測、評価を実施することを求めている。

さらに、姫路天然ガス発電が提出した環境影響評価書では、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する方法について十分説明していないことを指摘し、削減方法を検討し、その検討内容と結果を公開することを求めた。

また建設予定地が面している海域が閉じた海域である点と、発電所の排水口が他の事業所と共用になっており、海中に大量の排水が出る可能性が高い点を挙げ、海水の貧酸素化や富栄養化を招き、水質悪化につながる恐れがあるとした。そこで、排水の位置や方法などについて水環境の変化にも着目して、改めて比較検討し、その検討過程や決定理由を公開することを求めた。

さらに、発電所建設予定地の近隣に姫路市中央卸売市場の新市場が完成し、2021年に開業する予定であることを挙げ、環境悪化の影響が及ばないように配慮することと、可能ならば大気環境等の環境影響について考慮することを求めている。

ほかにも、煙突や発電所建屋の景観、周辺に生息する動植物への配慮などについて指摘があった。今後は環境影響評価方法書と知事の意見の提出を受けた経済産業大臣が、事業者である姫路天然ガス発電に必要に応じて勧告を出す。姫路天然ガス発電は勧告を受けて環境アセスメントを実施し、その結果を環境影響評価準備書をまとめて提出する。


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