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Intel、自動運転技術の共同開発拠点をシリコンバレーに開設

2017/05/08
(月)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカIntelは、カリフォルニア州サンノゼに自動運転技術の共同開発拠点を開設した。

アメリカIntelは2017年5月3日(現地時間)、カリフォルニア州サンノゼに自動運転技術の共同開発拠点「Silicon Valley Innovation Center for Autonomous Driving」を開設した。開設記念イベントでは、共同研究を進めているドイツBMW社、イギリスDelphi Automotive社らと共同で、これまでの研究成果を展示した。

図 BMWが出展した自動運転車の試作機

図 BMWが出展した自動運転車の試作機

出所 Intel

BMWが出展した自動運転車の試作機は、Intel、イスラエルMobileye社と共同で開発したもの。2017年初のConsumer Electronics Show(CES)でIntelが披露したものだ。2017年後半から、この試作車を40台ほど一般道に投入して走行試験を実施する計画だ。

Intelはこの自動運転車に、同社のXeonプロセサ、Xeon Phiプロセサ、傘下にあるAltera社のFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載した「Intel GO」を投入している。さらに、2016年8月にIntelが買収したアメリカNervana Systems社が開発した深層学習の技術も取り入れている。

Mobileye社は運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems:ADAS)を支えるソフトウェアや半導体を開発している企業。カメラ画像を駆使した支援システムに定評がある。Intelは2017年3月にMobileye社を買収している。今回BMWが出展した試作車には、画像処理の半導体と、画像から物体や人間を認識するソフトウェアなどを提供した。

Delphi Automotive社は開設記念イベントで、同社の自動運転車の試作機の試乗体験コーナーを設置していた。同社は2016年11月に自動運転技術の開発でIntel、Mobileye社と提携することを発表している。

Intelは深層学習の分野では、NVIDIAなどに比べて少々遅れを取っていると評価する向きが多い。NVIDIAは同社のGPU(Graphics Pricessing Unit)を深層学習に活用し、その成果を自動運転技術に活かそうとしている。IntelはXeonプロセサに加えて、数多くのシンプルなプロセサコアを集積し、並列演算性能向上を狙った「Xeon Phiプロセサ」、さらにAltera社のFPGAを組み合せて、自動運転技術を現実的なところまで推し進めた。今回Intelが開設した「Silicon Valley Innovation Center for Autonomous Driving」は、同社にとって次に花開く巨大市場を攻略するための拠点となるだろう。


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