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センサーでビル設備の異常を検知して対応マニュアルを自動配信、実証実験の結果が明らかに

2017/05/11
(木)
SmartGridニューズレター編集部

富士通、大成、スタディストの3社は、センサーでビル設備の異常を早期検知し、迅速かつ的確な対応を可能とするシステムを構築し実証実験を実施し、その結果を公表した。

富士通、大成、スタディストの3社は2017年5月10日、センサーでビル設備の異常を早期検知し、迅速かつ的確な対応を可能とするシステムを構築し実証実験を実施し、その結果を公表した。実験期間は2016年10月13日~2017年3月31日。実験の場は東京都千代田区丸の内の「郵船ビルディング」。

この実証実験の目的は、ビル設備の異常をいち早く検知するだけでなく、異常に対応するマニュアルを作業担当者に配信することで、迅速かつ的確に現状復旧できる環境を作ることにある。背景には、労働人口の減少で熟練のビル管理作業者が不足しているという現状がある。マニュアルを配信することで、経験が浅い担当者でも的確に対応できると考えての実験だ。

実験では、郵船ビルディング内の空調設備に富士通アドバンストエンジニアリングの多機能センサー「ちょいロガ」を設置し、空調設備の温度、湿度、振動(加速度)、照度などを計測する体制を作った。ちょいロガはBluetooth Low Energy(BLE)で検出値を送出するので、周囲にBLE対応のゲートウェイを設置し、検出データを富士通が運営するクラウド基盤「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」に集約した。

図 多機能センサー「ちょいロガ」。外形寸法は50.0×45.0×5.05mmで、重量は12g。内蔵のリチウムイオン蓄電池でおよそ12時間稼働する

図 多機能センサー「ちょいロガ」。外形寸法は50.0×45.0×5.05mmで、重量は12g。内蔵のリチウムイオン蓄電池でおよそ12時間稼働する

出所 富士通

異常を検出する体制を作りながら、大成は長年ビルメンテナンスを手がけてきた経験を活かして、設備異常に対応するための点検手順や故障への対応方法を示すマニュアルを作成した。このマニュアルは画像や動画を取り入れて、経験が浅い作業者でもひと目で分かるものを目指した。マニュアル作成にはスタディストのソフトウェア「Teachme Biz」を活用した。

その後大成の技術者は、長年の経験を活かしてセンサーデータがどのような値を示したら装置の故障と判断するか、故障の予兆をどう判断するかの条件を導き出し、設定した。スタディストはFUJITSU Cloud Service K5 IoT Platformに集まってくるデータから、条件に当てはまる、つまり故障やその予兆を示すデータを検出するように、Teachme Bizを設定した。これで、故障あるいはその予兆を検知したら、Teachme Bizがマニュアルを配信する準備が整った。

図 実証実験で構築したシステムの全体像

図 実証実験で構築したシステムの全体像

出所 富士通

実験の結果、郵船ビルディング内の空調設備の稼働状況をリアルタイムで監視することが十分可能であることがまず判明した。そして、Teachme Bizを使ってマニュアルを自動配信する体制については、疑似的に故障を発生させるシミュレーションを実施したところ、問題なく働くことが確認できたという。

今回の実験に参加した3者は実験の成功を受けて、実験で使用したビル監視システムを製品化し、大成のサービスとして2018年中に提供を始めることを目指すとしている。製品化に向けてより多くのデータを収集するために、2017年4月25日から大成の本社ビル(愛知県名古屋市)など複数のビルで今回と同様の実証実験を開始しているという。

また大成は、このシステムにマニュアルを自動配信する仕組みを組み込むことで、経験が輝十分な作業者でも対応可能な業務の幅が広がり、1人の作業者が対応できるビルの床面積を50%ほど拡大できると評価している。


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