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トヨタ自動車、自動運転技術の開発でNVIDIAと協業

2017/05/12
(金)
SmartGridニューズレター編集部

NVIDIAは、自動運転技術の開発のために、トヨタ自動車と協業すると発表した。

アメリカNVIDIAは2017年5月10日(現地時間)、自動運転技術の開発のために、トヨタ自動車と協業すると発表した。すでに両社のエンジニアが協力してソフトウェアの開発に取り組んでいるという。

図 NVIDIAの自動運転車向けコンピュータ「DRIVE PX 2」

図 NVIDIAの自動運転車向けコンピュータ「DRIVE PX 2」

出所 NVIDIA

トヨタ自動車の常務理事を務める鯉淵健氏は、「トヨタ自動車は20年以上も自動運転技術の研究を続けている。最終的な目標は交通事故による死亡者をゼロにすることにある。ほかにも、渋滞をなくして交通の流れを良くすることや、移動手段としての自動車をすべての人が利用できるようにすることなどを目指している。今回の協業で、より安全で高性能なものを目指して、自動運転技術の開発を加速させたい」と語っている。

NVIDIAによれば現在はNVIDIAが自動運転車向けに開発したコンピュータ「DRIVE PX」で動作する深層学習などのプログラムをトヨタ自動車とNVIDIAの技術者が開発中だという。DRIVE PXはNVIDIAが2015年1月に発表したもので、2016年1月には後継となる「DRIVE PX 2」を発表している。DRIVE PX 2は、NVIDIAが開発した64ビットARMアーキテクチャのプロセサコアと、NVIDIAの「Pascal」アーキテクチャのGPU(Graphics Processing Unit)を統合したSoC(System on Chip)を搭載している。このSoCは深層学習の演算を1秒間に24兆回実行する能力を持っているという。

さらに、NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏は、同社のイベントの基調講演で、トヨタ自動車が自動運転向けの最新チップ「Xavier」を使う予定であることを明かした。Xavierは、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Volta」のGPUを統合しているもので、Huang氏はその性能を「1秒間に30兆回の浮動小数点演算が可能でありながら、消費電力は30Wに収まる」と表現している。NVIDIAもHuang氏も、トヨタ自動車がNVIDIAの技術を活用した自動運転車を今後2~3年のうちに市場に投入するだろうと予測している。


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