アメリカAkamai Technologies社は2017年5月10日(現地時間)、テキサス州に建設中の大規模風力発電所に20年間にわたって投資すると発表した。テキサス州ベイラー郡シーモアに建設中の「Seymour Hills Wind Farm」に投資する。
「Seymour Hills Wind Farm」の敷地面積はおよそ8000エーカー(3237万4850m2)。ここに38の風力発電機を建設する予定となっており、合計出力は80MW(8万kW)になる。米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)の調べによると、2016年アメリカにおける風力発電設備の設備利用率は平均で34.73%。この数字を当てはめると、年間発電量はおよそ243.4GWh(2億4338万7840kWh)となる。2018年に商業運転開始の予定だ。
Akamai Technologies社はこの投資で、Seymour Hills Wind Farmから同社がテキサス州のデータセンターを運営するために必要な量に相当する電力の供給を受ける。同社が全世界の拠点で消費している電力量のおよそ7%に当たるという。Akamai Technologies社は2016年5月に、2020年までに温室効果ガス排出量を2015年比で半分にするという目標を公開している。同時に、再生可能エネルギーを活用した発電所への投資をしていた。今回の投資はその一歩と言えそうだ。
これまでアメリカではAmazon、Apple、Googleといった膨大な電力を消費する大企業が風力発電所や太陽光発電所に投資して、企業で消費する電力の大部分を再生可能エネルギー由来のものにするという動きが目立っていた。
図 Amazon Web Servicesの「Amazon Wind Farm US East」。合計出力は208MWだ
出所 American Wind Energy Association
Akamai Technologies社のCFOを務めるJim Benson氏は、今回の投資について「我々のような比較的小規模で、電力需要が世界中に分散している企業が再生可能エネルギーに投資する動きは本当に最近の動きだと思う。今回の私たちの投資が、同じよううな規模の企業にとって良いモデルになればと考えている」とコメントを残している。
Seymour Hills Wind Farmの開発と運営を担当するアメリカInfinity Renewbales社の財務担当副社長を務めるMatt Langley氏も同様の見解を示している。「再生可能エネルギーによる発電所にとって、大手企業によるギガワット単位の電力購入契約は、大規模な発電所の増加に貢献した。しかし、これからはAkamai Technologies社のような中規模の企業が続々と電力供給契約を結ぶようになると見ており、私たちもそのような企業と喜んで契約を結びたいと考えている」と語っている。