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KDDI、IoT端末向け通信サービスに大手クラウドへの接続機能などのオプションを追加

2017/06/22
(木)
SmartGridニューズレター編集部

KDDIは、IoT端末向け通信サービス「KDDI IoTコネクト Air」のオプション3種類の提供を始めた。

KDDIは2017年6月21日、IoT端末向け通信サービス「KDDI IoTコネクト Air」のオプション3種類の提供を始めた。KDDI IoTコネクト Airはソラコムとの協業で提供している通信サービスで、ソラコムがAmazon Web Services(AWS)上にソフトウェアで作り上げた携帯通信コアネットワーク「SORACOM vConnec Core」とKDDIの通信網を組み合わせたものだ(参考記事)。

新たに提供を開始したオプションは、「+Beam」「+Canal」「+Direct」の3つ。+Beamと+Canalは名称が示すようにソラコムが提供している「SORACOM Beam」「SORACOM Canal」と同様の機能を提供するもの。

+BeamはソラコムのvConnec Coreとインターネット上の任意のサーバー間の通信をTLS(Transport Layer Security)を利用して暗号化するサービス。暗号化だけでなく、証明書を利用した通信相手の認証や、通信内容の改ざんの有無の検知なども可能になる。IoT端末のわずかなコンピュータリソースでは暗号化処理は難しいが、SORACOMのvConnec Coreまでデータを届ければ、後は+Beamがデータを暗号化して任意のサーバーに送信してくれる。

+CanalはvConnec CoreとAWS上の仮想プライベートクラウド環境(VPC:Amazon Virtual Private Cloud)を接続するサービス。先述の通りソラコムの通信サービスの中核部はAWS上に構築してある。+Canalではソラコムの通信サービスの中核部を収納しているVPCと、ユーザーがAWS上に設定したVPCをAWS内の閉じた環境で接続する。

図 +Canalは、ソラコムがAWS上で運営している通信基盤と、ユーザーがAWS上に作ったクラウド環境を閉じた通信路で接続するサービス

図 +Canalは、ソラコムがAWS上で運営している通信基盤と、ユーザーがAWS上に作ったクラウド環境を閉じた通信路で接続するサービス

出所 KDDI

+DirectはKDDIのサービスを活用したオプションだ。KDDIの閉域網接続サービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」あるいは「KDDI Wide Area Virtual Switch」の「プラットフォームアクセスVLAN(AWSダイレクト接続)」を利用して、AWS上で稼働しているソラコムの通信基盤からユーザー企業のオフィスなど、任意の場所まで閉域網で接続する。

図 +Directは、ソラコムの通信基盤が稼働しているAWSからユーザーが指定する場所まで閉域網で接続するサービス

図 +Directは、ソラコムの通信基盤が稼働しているAWSからユーザーが指定する場所まで閉域網で接続するサービス

出所 KDDI

利用価格は+Beamが1リクエストごとに0.0009円(税別:以下同様)。+Canalは初期費用として980円かかる。これはAWS上にVPG(Virtual Private Gateway)を設定する料金などを含んでいる。そして基本料金として+Canal用のVPG基本料金が掛かる。これが1時間当たり50円。さらにVPGの基本料金として端末のSIM1枚当たり1日5円かかる。サービス利用料金は1接続、1時間当たり10円。

+DirectでもVPGの設定が必要になる。初期費用は9800円で、+Direct向けのVPG利用料金が1時間当たり300円。さらにVPGの基本料金として端末のSIM1枚当たり1日5円かかる。加えて、AWS Direct ConnectのVIF(Virtual Interface)利用料金が1時間当たり10円。このほかに、KDDI Wide Area Virtual Switch 2あるいはKDDI Wide Area Virtual SwitchのプラットフォームアクセスVLAN(AWSダイレクト接続)の契約が必要となる。+Beamと+CanalはKDDIが提供する「KDDI IoTコネクト Air」ユーザーコンソールから簡単な操作で申し込めるが、+Directは専用の申込書を提出する必要がある。

KDDIは今後、顧客の要望に応じてソラコムが現在提供しているオプションサービスをKDDI IoTコネクト Airでも使えるようにすることを検討している。


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KDDI

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