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KDDIとシスコシステムズなど、センサーやLPWAを利用した農作業効率向上の実証実験を開始

2017/08/02
(水)
SmartGridニューズレター編集部

KDDIなどは、北海道帯広市の農場でセンサーやLPWA無線通信技術を活用して農作業の効率向上を狙った実証実験を実施すると発表した。

KDDI、シスコシステムズ、独立行政法人中小企業基盤整備機構北海道本部は2017年8月1日、北海道帯広市の農場でセンサーやLPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術を活用して農作業の効率向上を狙った実証実験を実施すると発表した。先述の3社は北海道の中小企業を対象に、LPWA通信技術などを活用した新たなサービス、ビジネスアイデアを募集している。応募者との面談などによる選考で、優秀と認めたアイデアについては、通信環境など、実証実験に必要な環境を提供している。今回の実証実験は3者による今回の活動で初めての実証実験となる。

今回は、飯田農場、帯広大正農業協同組合、システムデザイン開発、ディーディーエル、長沼商事が共同で応募したアイデアが選定を受け、実証実験実施に至った。8月1日から、飯田農場の農業施設で実験を開始する。実験の期間は9月30日までの予定。

今回は農場の各地にセンサーを設置し、外気温、湿度、土中の温度、含水率、EC値(電気伝導率)を検知する。検出値はLoRaWANネットワークでセンサーのそばにあるゲートウェイに送信し、ゲートウェイはLTE網を通してデータをKDDIが運営するクラウドに送る。蓄積したデータを解析することで、種まきや出荷に最適な時期を算出し、農薬散布や水撒き作業などについて最適な方法を探る。

図 LoRaWAN通信機能を備えたセンサー機器(左)と、LoRaWANとLTEの仲立ちをするゲートウェイのアンテナ(右)

図 LoRaWAN通信機能を備えたセンサー機器(左)と、LoRaWANとLTEの仲立ちをするゲートウェイのアンテナ(右)

出所 KDDI

このような実証実験の例はほかにもあるが、今回は北海道で実施することに意味がある。北海道における農業は、大規模な農地で大量の農作物を栽培する大規模農業だ。特に屋外で作物を栽培する露地栽培は、北海道においては農地面積を容易に拡大でき、作物1つ当たりの生産コストが安くなるという大きなメリットがある。

一方で、農地面積が広いために天候の影響を受けたときの対処が行き届かないことが多くなる。その結果、栽培に失敗して廃棄処分となる作物が増加することが大きな問題となっている。また、日本のほかの地域の農業と同じく、後継者への技術の継承が難しく、農業従事者が高齢化する一方という深刻な問題も抱えている。

今回の実証実験では、センサーで計測した値をクラウドで処理する、クラウドにWebブラウザなどでアクセスすることで、センサーの検出値の推移をリアルタイムで確認できる体制を作る。その上で、効率の良い農作業の進め方を追求し、大量の農作物を効率良く生産できる体制を作ることを目指す。さらに、農業の知識や技術の裏付けとなるセンサーによる検出値がデータとなって残る。このデータを蓄積、解析することで、「暗黙知」であった農業技術や知識を明確な数字で示すことができる「形式知」として、後継に伝えやすい形を作ることも目指す。

今回の実験に参加する各者は、今後さらに通信技術やコンピュータ技術を農作業に取り入れて、農業の作業効率向上などを目指すとしている。


■リンク
KDDI

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