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双日など3社、SigfoxとGPSを利用した物流事業者向け資産管理サービス開発へ

2017/08/29
(火)
SmartGridニューズレター編集部

双日など3社は、Sigfoxを利用して、物流事業者向けの資産管理サービスを共同で開発すると発表した。

双日、アイ・サイナップ、京セラコミュニケーションシステムの3社は2017年8月28日、IoT端末向け無線通信サービス「Sigfox」を利用して、物流事業者向けの資産管理サービスを共同で開発すると発表した。SigfoxはLPWA(Low Poer Wide Range)と呼ぶ通信方式の1種。通信免許が不要な920MHz帯の無線を利用して、最大で数十kmの通信を実現する。日本では京セラコミュニケーションシステムが2017年2月から、商用通信サービスを開始している(参考記事)。

今回の協業では、物流車両、物流コンテナ、物流パレットなどの物流業者が日々活用している資産の現在位置をリアルタイムで追尾するサービスの構築を目指す。さらに、それらの情報を事業者間で連携することや、貨物の発送時間や積載車両の現在位置などの情報を荷主やほかの車両の運転手も把握可能にすることも目標とする。これまで、このようなサービスを提供しようとしても、通信コストがかさむ上、資産を追尾するために取り付ける通信機器の電源を確保しにくいという問題があり、実現が難しかったという。低コストで長距離通信が可能で、消費電力が少ないSigfoxの登場で、このサービスを実現可能にしたと言えるだろう。

資産の現在位置を把握するにはGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用する。GPSで位置情報を把握する機能を持つ通信機器「GPSトラッカー」を開発し、位置情報をSigfoxの無線通信で発信する。そのデータは双日が運営するクラウドに届き、クラウドですべての情報を管理する。

双日は、クラウド上で資産の位置情報は稼働状況を管理するシステムを開発し、顧客開拓を担当する。GPSトラッカーなどの機器の開発はアイ・サイナップが担当し、京セラコミュニケーションシステムは、Sigfoxネットワークの回線を提供する。

図 今回の3社協業における各社の役割

図 今回の3社協業における各社の役割

出所 京セラコミュニケーションシステム

双日は今回開発するシステムを、センサー機器やSigfoxの通信費、クラウド利用量などすべてをセットにして、低価格で提供することを目標としている。そして、サービスを利用する物流業者が、業務効率の改善、集配効率の向上、車両ごとの積載量のムダの撤廃などを実現できるシステムを開発するとしている。

3社は今回開発するサービスに興味をもつ物流事業者を募り、その業者と共同で実証実験を実施していくとしている。実証実験の結果や、実験で明らかになった課題などを研究し、サービスのさらなる改良を重ねていく。その上で仕様を確定し、2018年度内の実用化を目指すとしている。


■リンク
双日
アイ・サイナップ
京セラコミュニケーションシステム

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