[ニュース]

Shellアメリカ法人、トヨタとホンダの支援を得てカリフォルニア州に水素ステーション新設へ

2017/09/14
(木)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカShell Oil社は、カリフォルニア州北部に水素ステーションを新設すると発表した。

アメリカShell Oil社は2017年9月13日(アメリカ時間)、カリフォルニア州北部に水素ステーションを新設すると発表した。水素ステーション完成後の運営を支援する目的で、トヨタ自動車と本田技研工業が資金を拠出する。Shell Oil社はオランダRoyal Dutch Shellのアメリカ法人。

図 Royal Dutch Shellがドイツで運営している水素ステーション

図 Royal Dutch Shellがドイツで運営している水素ステーション

出所 Royal Dutch Shell

今回の水素ステーション新設事業については、カリフォルニア州のカリフォルニアエネルギー委員会(California Energy Commission)が、補助金交付先提案書(Notice of Proposed Award)を公表、提案しており、正式承認を待っていた(参考記事)。8月9日に正式承認となり、Shell Oil社は1636万2500ドル(17億9877万5000円:1ドル=110円で換算)の補助金を受けることが決まり、水素ステーション新設に向けて動き出した。

車両乗り入れの利便を考慮して、水素ステーションは既存のシェルブランドのガソリンスタンド内に増設する。設置箇所はサンフランシスコ市内3カ所、バークレー、シトラスハイツ、サクラメント、ウォルナットクリークの各市内に1か所ずつの合計7カ所。

カリフォルニアエネルギー委員会は、大気環境、気候変動、エネルギーなどの分野について州が掲げている目標の達成を支援するために、年間で最大1億ドル(110億円)の補助金交付プログラムを実施している。今回の補助金交付もその一環だ。

世界の大手自動車メーカー各社は、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行を急速に進めている。しかし、EVは充電に時間がかかる上、満充電状態から走行できる距離がやや短いという欠点を抱えている。

水素を燃料とする燃料電池車(FCV)は、ガソリン車とほぼ同じ時間で燃料を補給でき、長い距離を走れるという点でEVよりも優れている。しかし、その普及はなかなか進んでいない。その大きな要因の1つとして、水素ステーションの数がまだまだ少ないという事情がある。今回のようにエネルギー企業、自動車メーカー、そして自治体が協力する例をもっと作れれば、FCVの普及にも期待が持てるだろう。


■リンク
Shell Oil社
トヨタ自動車
本田技研工業

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...