[ニュース]

1回の充電で1700km以上を走破、アメリカのEVバス専業メーカーが世界記録を樹立

2017/09/22
(金)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカProterra社は、同社が開発したEVバスが1回の充電で1101.2マイルを走り切り、EV航続距離の世界記録を樹立したと発表した。

アメリカProterra社は2017年9月19日、同社が開発した電気バス(EVバス)「Catalyst E2 Max」が1回の充電で1101.2マイル(約1772.2km)を走り切り、EV航続距離の世界記録を樹立したと発表した。インディアナ州にある試験走行場「Navistar Proving Grounds」で達成した。

図 Proterra社のEVバス「Catalyst E2 Max」

図 Proterra社のEVバス「Catalyst E2 Max」

出所 Proterra社

従来の世界記録はドイツのオッフェンブルク工科大学の研究チームが2011年8月に樹立した1013.76マイル(約1631.5km)。しかしこのときは記録更新のみを目指した特製車両を使用していたので、記録を樹立した車両が市場に出ることはなかった。今回は、オッフェンブルグ工科大学の研究チームが開発した車両の46倍も重い、市販のEVバスで記録を更新した。

Proterra社は今回の記録更新に向けて過去3年間、連続走行記録の更新に挑戦してきた。2015年には蓄電容量257kWhの蓄電池を搭載した車両で258マイル(約415.2km)を走行し、2016年9月には蓄電容量440kWhの蓄電池を搭載した車両で603マイル(約970.4km)という記録を打ち立てている。

今回は全長40フィート(約12.2m)のCatalyst E2 Maxに蓄電容量660kWhの蓄電池を搭載して1101.2マイルを走破した。Catalyst E2 Maxは標準で440kWh~660kWhの蓄電池を搭載できるので、まさしく市販仕様のままで記録を達成したことになる。

Proterra社のCEOであるRyan Popple氏は「当社が開発しているEVバスは、1マイル走行ごとのコストの面で、従来のエンジンを利用した車両よりも優れている。大型EVバスはさまざまな用途で便利に使えるはずだ。そして、路線バスなどの公共交通の分野こそが最初にEVへの転換を果たすと考えている」と、今後の同社の進む方向を示唆するコメントを出した。


■リンク
Proterra社

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...