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電力消費量に合わせて充放電量を制御、シャープがデマンド抑制を狙った産業用蓄電池を発表

2017/09/25
(月)
SmartGridニューズレター編集部

シャープは、産業用蓄電池の新製品「スマート蓄電池システム」3モデルを発表した。

シャープは2017年9月25日、産業用蓄電池の新製品「スマート蓄電池システム」3モデルを発表した。高圧受電契約を結んでいるオフィスビルや工場、店舗に向けて開発したものだ。3モデルの内訳は、定格蓄電容量が16kWhの「JH-FBCC01」、32kWhの「JH-FBCC02」、48kWhの「JH-FBCC03」。3モデルとも価格はオープン。11月6日に発売の予定で、受注生産扱いとなる。

図 シャープの「スマート蓄電池システム(JH-FBCC02)」

図 シャープの「スマート蓄電池システム(JH-FBCC02)」

出所 シャープ

スマート蓄電池システムは、電力消費量の推移を常に監視し、消費電力が上昇した時に蓄電池から放電し、電力会社からの受電量を抑える。こうすることで、「デマンド値」を抑えることができる。

デマンド値とは、30分単位の消費電力量のうち、年間で最大の値を指す。高圧受電契約の場合、デマンド値の最大値で1年間の基本料金が決まってしまう。つまり、一瞬だけ大電力を消費しただけで、その後1年間は電力消費量を抑えても高めの基本料金を支払い続けなければならない。スマート蓄電池システムは、デマンド値の突出を抑えて(ピークカット)、電気料金の基本料金を低く留める役目を果たす。

放電時は必要な電力量に応じて放電量を調節する。少量で済む場合は放電量を抑え気味にし、大量の電力が必要なときは大電力を放電する。さらに、放電してもデマンド抑制の効果が期待できないときは放電しない。従来品では、放電時の電力量が固定となっていて、どのような状況でも決まった電力量を放電することが多い。それに比べてスマート蓄電池システムは、重電した電力を有効に活用できる。また、1日に複数回の充電が可能になっており、1日当たりに放電できる回数、電力量ともに多くなっている。

太陽光発電システムとの連携を考えた機能も備えている。太陽光発電モジュールが発電した直流の電力を、直流のまま直接蓄電池に充電できる。インバーターやコンバーターなどの変換機器を通すことがないので、変換に伴う損失を抑えられる。

図 スマート蓄電池システムに太陽光発電モジュールを接続すると、直流で発電した電力をそのまま蓄電池に充電できる。コンバーターなどを通さないので、損失を最小限に抑えられる

図 スマート蓄電池システムに太陽光発電モジュールを接続すると、直流で発電した電力をそのまま蓄電池に充電できる。コンバーターなどを通さないので、損失を最小限に抑えられる

出所 シャープ

さらに太陽光発電モジュールと蓄電池を直結するため、発電し過ぎたときに、その電力を余すことなく充電できる。一般的な太陽光発電システムでは、太陽光発電モジュールが大量に発電しても、パワーコンディショナーの定格出力を超える分は無駄になる。ところが、スマート蓄電池システムを利用すればパワーコンディショナーの定格出力を超える分も無駄にすることなく蓄電池に充電する。シャープによるとスマート蓄電池システムには、太陽光発電システムのパワーコンディショナーの定格出力に対して最大2倍程度の太陽光発電モジュールを接続できるという。

停電時の非常用電力としてももちろん利用できる。事前に設定した量の電力を常に蓄電池に残しておくことも可能になっており、この機能を利用すれば停電時に利用できる電力量を事前に見積もることが可能になる。


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シャープ

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