[標準化動向]

IETF標準動向レポート(1):スマートグリッド(電力網)と連携を持ち始めたIETFの最新動向

2010/02/19
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2010年1月20日にはNIST(米国国立標準技術研究所)のスマートグリッド標準仕様1.0の正式版スマートグリッド標準仕様“NIST Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release 1.0”が出版された。同機関は、スマート・メーター系の機器をつなぐネットワーク部分をIP化する方針を打ち立てて、IETFに対して技術支援を要請した。今回は、昨年(2009年)11月の広島会合を中心に、スマートグリッドにかかわる技術動向をレポートする。

IETF標準動向レポート(1):スマートグリッド(電力網)と連携を持ち始めたIETFの最新動向

■広島会合で開催されたスマートグリッドBar BOF

去る2009年11月に広島で開催された第76回のIETF広島会合では、初めてスマートグリッドについての議論がなされた。スマートグリッドは、ワーキンググループ(WG)や議論をする場がないIETFの正式トピックではなかったため、開催期間中にBar BOF(バー ボフ。もともとは「Barなどで興味をもつ人が集まって議論する」という意味)が開かれた。

今後、スマートグリッドに関して、IETFがネットワークのIP化にかかわる役割の一端を担うことで、ラフ・コンセンサス(大まかな合意)を形成した。Bar BOF内容は、表1のとおりである。

    【Bar BOFの概要】
  • 日時:2009年11月11日 8:30PM - 11:00PM(IETF 76回会議中)
  • 参加者:約100名程度
表1 IETF広島会合におけるスマートグリッドBar BOFの内容
タイトル スピーカー
(敬称略)
内容
I. Agenda Bashing Tim Polk 会議アジェンダの確認。
II. Smart Grid Overview Jim St. Pierre /Tim Polk スマートグリッドの概要やNISTの役割など、NISTが行っているスマートグリッド標準化活動の概要と現状の報告が行われた。標準化に向けたスケジュール等の具体的な数字を出して、スマートグリッド動向を共有した。
III. Japanese Interest in Smart Grid 江崎 浩 建物のモニタリング、オートメーション、制御をIPネットワークとXMLを用いる仕組みの紹介。主に「グリーン東大プロジェクト」の活動を中心に解説。
IV. Introduction to the IP Priority Action Plan Tim Polk NISTで議論されている、スマートグリッドのIP化の活動であるIP Priority Action Plan (PAP)に関して報告された。IP PAPは4つのタスクに分けられ、これらのタスクを2010年頃に終了させることを目指しているとした。内容は次の通り。
「タスク1」でスマートグリッド・アプリケーションのための通信要求事項を明確にし、「タスク2」でオールIP化に向けたプロトコル・スィートの決定を行う。「タスク3」ではアプリケーションに特化したプロトコル要求事項を決定し、「タスク4」でスマートグリッドのIP化に向けて必要な拡張等のギャップ分析をする。
NIST活動の中で、IETFにおいて具体的にどのタスクのどの部分で協調を求めているのかを具体的に紹介した。
V. Discussion of draft-baker-ietf-core Fred Baker 詳細は、http://www.ietf.org/id/draft-baker-ietf-core-04.txtというインターネット・ドラフトにまとめられている。
まず、背景として、2009年8月のNISTワークショップで、インターネットアーキテクチャを利用するための文書の依頼があったことが説明された。文書には、機能の拡充というよりは相互接続性を重視し、スマートグリッド向けインターネット・プロトコル・スィートとアーキテクチャを記述している。
VI. Is the IETF the right place to do this work? Russ Housley 各発表後、IETF/IESGチェアであるRuss氏から、スマートグリッドのIP化に向けてIETFが役割を担うべきかの質問が投げかけられ、発表者と出席者で議論を交えた。
VII. How should the work be organized? Ralph Drosm インターネット・エリア・ディレクタであるRalph氏から、具体的な活動に向けた活動案が示された。
スマートグリッドに関連するワーキング・グループとして、「6LowPAN」(IPv6ヘッダ圧縮)、「ROLL」(低電力化での経路制御プロトコル)、「6LowAPP」(低電力でのアプリケーション)が挙げられた。また、Fred氏のインターネット・ドラフトについて、レビューを継続し、文章に磨きをかけ、スマートグリッド議論のためのメーリング・リストの作成やワーキング・グループの作成等が提案された。


■NISTの‘IP PAP’とIETFへの働きかけ

NIST(米国国立標準技術研究所)では、米国政府の後押しもあり、スマート・メーター(高度メーター基盤)を各家庭に設置をするなど、スマートグリッドの普及を急速に進めている。NISTでは、各家庭へのインフラが普及した後、ネットワークのインテリジェンスを高めて、より高度なスマートグリッド・インフラを整備し、その利用方法が検討されてきた。その議論の結果、既存のIPインフラとの接続性や、温度センサー・照明センサーなどを含む、さまざまなスマートグリッド・アプリケーションを検討すると、「IP(インターネット・プロトコル)をネットワーク技術として採用することが妥当である」という結果となった。これらの議論を踏まえて、NISTでは、独自に要求事項や活動プランの文書‘IP PAP’(PAP:Priority Action Plan、IPに関する優先的な活動計画)を作成した。

スマートグリッドにおいては、その構成要素であるメーターやセンサー類は、当然のことながら省電力化されており、小さな情報処理能力(すなわち計算機資源が乏しい。例:11KバイトのROM、2KバイトのRAM、バッテリー駆動)しかもたない性質をもっている。つまり、スマートグリッド環境では、これらの情報処理能力の小さい機器(構成要素)がIPネットワークを使って通信をすることになるのである。

このような背景もあり、NISTは、IP技術の標準化団体であるIETF(インターネット技術委員会)に対して、技術的なコンサルテーションやスマートグリッドに特化した標準化技術の開発を依頼することになった。その結果が、IETF76回広島会合でのBar BoFの開催へとつながったのである。


■スマートグリッドを支えるIETFのテクノロジー

IETFでは、スマートグリッドには直接関係していないが、すでにセンサー・ネットワークやホーム・ネットワーク向けのIP技術の標準化が進められており、今後は、それらの技術がスマートグリッドを支える技術として採用されることが十分に考えられる。表2は、スマートグリッドに関連するワーキング・グループの一覧である。


表2 スマートグリッド関連のワーキング・グループ一覧
ワーキング
・グループ名
URL 内容
6LoWPAN(IPv6 over Low power WPAN) Working Group http://www.ietf.org/dyn/wg/charter/6lowpan-charter.html IEEE 802.15.4の上にZigBee通信スタックの代わりにIPv6を利用するためのインターネット・プロトコル・スィートの標準化を行っている。6LowPANでは、AUTOCONFワーキング・グループで標準化しているアドホックやセンサー・ネットワークなどがIPを利用するときのアドレス・スキームの採用も予定している。
ROLL (Routing Over Low power and Lossy networks) Working Group http://www.ietf.org/dyn/wg/charter/roll-charter.html 工場内のネットワーク、ホーム・ネットワーク、ビルのオートメーションなど、省電力で不安定な通信環境下で動作する経路制御プロトコルの標準化を行っている。
6LoWApp(Applications in resource-constrained networks) BOF 正式なワーキング・グループではないが、計算機・通信資源が限られた環境におけるアプリケーション規格を標準化を目指している。IETF広島会合でBOFが開催され、ワーキング・グループに向けてIETFで活発な議論が進められている。


今後は、IETFにおいてもスマートグリッドに関連するワーキング・グループが立ち上げられ、技術的な要件や標準化技術などが議論されていくと思われる。IETFにおける議論はオープンに進められ、さまざまな分野の人がスマートグリッドの標準化に参加してくると予想されるので、今後のIETFにおける標準化動向については、注視していく必要があるであろう。


■Bar BOFから約1カ月 =2010年初めの動き=

広島会合から1カ月以上が過ぎ、IETFではいくつかの動きがあった。

まず、インターネット技術とスマートグリッドに関する議論の場として、1月半ばにメーリング・リストが立ち上がったのである。スマートグリッドはワーキング・グループにはまだなっていないが、技術的な内容を含めて議論する場所として、スマートグリッド用メーリング・リストが提供された。興味のある方は、下記のサイトから誰でも自由にメーリング・リストに参加できるようになっている。

https://www.ietf.org/mailman/listinfo/smartpower-interest

また、スマートグリッドの‘Directorate’(ディレクトレイト)が発足した。Directorateは、日本でいう「諮問委員会」のようなもので、今後スマートグリッドに必要なインターネット技術の全体的な方向性などを見守ることになっている。例えば、NISTとIETFなどの標準化組織間でさまざまなギャップが発生すると、それらをIESG(Internet Engineering Steering Group、インターネット技術標準運営グループ)に報告して、IETF側のアクションを検討するということを役目とする。今後、インターネットの各エリア(インターネットには8つのエリアがある。 Application Area、 Generic Area、Internet Area、Operation and Management Area、Real-time Applications and Infrastructure Area、Routing Area、Security Area、Transport Area)から要職(IAB/IESG)についていない人を選出していくようである。詳細は下記URL参照。

http://www.ietf.org/iesg/directorate/smart-power.html


■カリフォルニアのスマート・メーター事情

スマートグリッドが2009年のホットトピックの1つとなったわけだが、筆者が住んでいるカリフォルニアでは、米国で最大規模のスマート・メーターの導入を展開しているPG&E(Pacific Gas and Electric、ガスと電気を供する電力会社)によって、スマート・メーターの導入が急速に進んでいる。

昨年(2009年)12月初頭にアパート側からアナウンスがあり、既存のアナログ電力メーターからデジタル化されたスマート・メーターへの交換が行われた。私の不在中にメーターの交換作業が行われたため、実際の作業行程は見られなかったが、同僚であるロジャー・メレン(Dr. Roger Melen)氏が、自宅のスマート・メーター交換作業の写真を撮ったということを聞きつけ、早速その写真を拝借した。写真1は、ガス(写真右)と電気(写真中央)のそれぞれ(右側がガス、左側が電気)にスマート・メーターが取り付けられている様子である。ガスに設置されたスマート・メーターは駆動用の電力を取っていないため、バッテリー駆動だと思われる。

1人の作業員によって設置工事の作業が進められ、大体1時間弱で取り付けは完了したようで、彼が作業員に聞いた話によると、作業員は大体1人で1日75台程度を取り付け、年間で4000台近くのスマート・メーターを導入していくとのことである。スマート・メーターは、家から電柱まではZigBeeで通信し、そこからは既存の3G等の携帯電話インフラストラクチャを使ってPG&E(注1)のサーバへと繋がっている。


写真1 スマート・メーターを取り付けている様子

写真1 スマート・メーターを取り付けている様子


スマート・メーター取り付け後は、分単位で電気とガス消費量をPG&Eサイトで見られるようになる。図1は、実際にPG&Eのホームページからアクセスした電気消費量のグラフであるが、非常に細かく消費量を観察できるようになっている。

スマート・メーターの導入は、ここカリフォルニアでは急速に進んでいるが、もともと、環境意識が高いエリアであるカリフォルニア・シリコンバレーでは、スマートグリッドへの期待を口にする人が技術者に限らず多くなっている。

スマート・メーターはLandis+Gyr FOCUS AX社製、ネットワーク関連ソリューションはSilver Spring Networks社が提供している。


図1 PG&Eのサイトで見ることのできる電力消費の様子
〔図1の2つのグラフは、1時間単位での電力の消費動向を表示したものである。上のグラフは1日の消費動向を、下のグラフは1週間の消費動向を示したものである。PG&Eのサイトに入れば、このように自由に消費動向を見ることができる。〕

図1-1 PG&Eのサイトで見ることのできる電力消費の様子(1)

図1-2 PG&Eのサイトで見ることのできる電力消費の様子(2)


(注1) PG&E:Pacific Gas & Electric Company(パシフィック・ガス&エレクトリック)。カリフォルニア州にある電力会社で、2006年からスマート・メーター化の取り組みを行っている。2012年までに540万台の設置を目指しているが、全米最大規模のプロジェクトと言われている。


★コラム・IETFの基礎知識★

=IETFとは?=

IETFは、インターネットにかかわるほとんどの通信プロトコルを標準化する国際的な非営利団体です。IETFの始まりは、1970年初頭に、米国国防総省のプロジェクトで進められていたインターネットの研究を進める中、異なる組織のコンピュータ技術者達が集まって通信仕様について議論をしたことに端を発します。

インターネットは、その名の通り、ネットワークを「繋ぐ」ことに意味があるので、共通の仕様で相互に接続可能であることが本質的に最も大切となります。その数十名の会議が、世界中(50カ国程度)から1000人近くの技術者が集まる標準化団体という、現在の形に成長したわけです。

IETFでは、インターネットをより良くするために集まったボランティアで運用されています。インターネットに関する技術は、エンジニアや研究者を含めたすべてのIETFの参加者が知力を絞ってオープンに議論され、いかなる決定もオープンに執り行われます。IETFが、他の標準化団体と大きく異なることの1つに、「ラフ・コンセンサス」(ラフな合意)があります。標準化案を策定するうえでの合意生成は投票による多数決では決めません。MITのDavid Clark氏による“We reject kings, presidents and voting, We believe in rough consensus and running code”という言葉は有名です。これは、インターネットの技術は、エンジニアの視点と実際に実装を動かして運用経験に基づいて議論され、また、インターネット技術が誰かのものではなく、すべての人で共有して皆で決めていくという「オープン・プロセス」に対する強いメッセージです。合意形成には投票による多数決の合意ではなく、ハミングの声の大きさで判断するなど、ラフな合意を大事にします。

=年3回のIETF会議=

IETFでは、年に3回会議が開催され、多くの議論がなされています。しかし、IETFの活動の中で最も大事なのは、会議への参加ではありません。議論はほとんどがメーリング・リストで進められます。一方で、会議では新規技術の紹介や標準化中の技術の問題点など(メーリング・リストで議論されたまとめ等)が発表され議論されます。また、何らかの合意が必要な場合には、合意確認も行われたりします。

会議中は、床からレストランまで、パソコンを開いた研究者達がコンセントの周りに集まって議論をしている光景をよく目にします。ワーキング・グループごとの会議も自由に参加することができるので、参加人数の予測を間違えたワーキング・グループでは、部屋から人が溢れ出たりします(写真2)


写真2 部屋から溢れ出た人たち(IETF69回シカゴ会議)(クリックで拡大)

写真2 部屋から溢れ出た人たち(IETF69回シカゴ会議)


また、IETFの会議はインターネットを通じてオーディオによる会議のリアルタイム公開、チャットによるリアルタイム議論を遠隔から行えるようにもなってきています。

=IETFのエリアとワーキング・グループ=

IETF内は、8つのエリアに分かれています。それらは、(1)統括的技術エリア、(2)アプリケーション・エリア、(3)インターネット技術エリア、(4)運用管理技術エリア、(5)経路制御技術エリア、(6)セキュリティ技術エリア、(7)転送プロトコル技術エリア、(8)ユーザー・サービス・エリアで、各エリアには技術標準のためのワーキング・グループ(Working Group:WG)があります。

このワーキング・グループは、ある特定の技術を標準化するための技術集団で、発足の際には趣意書や標準化の予定などを取り決め、それに沿って議論が進められます。趣意書に盛り込まれていない技術の標準化は原則として行わないため、趣意書作成時に必要技術の標準化項目として盛り込むことが、実は大切なのです。IETFでの標準化活動とは、このワーキング・グループに参加して議論を行い、標準化仕様案を提出したりコメントしたりすることです。

どのようなワーキング・グループが作られるかによって、どのような技術が注目を浴びているかを知ることができます。


★IETF最新事情★

=今後の会議日程=

2009年11月8月13日には、第76回IETF会合が日本の広島で開催された。2002年横浜、2004年韓国以来のアジアでのIETF開催となった。

会議の参加には特に条件はなく、参加費(注2)(通常785ドル、早期割引635ドル、1日200ドル:1日レートは広島で試験的に導入されており、今後のIETFで継続されるかはアナウンスされていない)を払えば誰でも参加でき、インターネット技術の標準化に参加したり、標準化の現場を直に見たりすることができる。特に、今回の広島では1dayパスが用意され、参加もしやすくなった。また開催中には、チュートリアルや今後の動向を議論するような場も多く設けられます。もともと米国でスタートしたインターネットであるが、現在では、中国や日本、韓国ほかのアジアからの貢献も多くなってきている。アジアの勢いが見て取れるデータとして、第75回IETFの参加者数の分布(図2)を見ると、日本と中国がアメリカに次いで多くの参加者を送り込んでいるのがわかる。日本は、遂に中国に参加者数で抜かれてしまっている。

2009年末から2010年早々に、アジアでのIETF開催が正式に発表された(表3)。2010年秋には北京で、2011年秋には台湾でIETFが開催される。

(注2) 参加費:通常785ドル、早期割引635ドル、1日200ドル。1日レートは広島で試験的に導入されており、今後のIETFで継続されるかはアナウンスされていない。


図2 第75回IETFの参加者数の分布(ストックホルム、スウェーデン)

図2 第75回IETFの参加者数の分布(ストックホルム、スウェーデン)
http://www.ietf.org/proceedings/75/slides/plenaryw-3/plenaryw-3_files/v3_document.htm

表3 今後のIETFの開催予定〔http://www.ietf.org/meeting/upcoming.html
開催年 開催月
(回数)
都市(国) 開催年 開催月
(回数)
都市(国)
2010年 3月(77回) アナハイム(アメリカ) 2012年 3月(83回) ヨーロッパ(暫定)
7月(78回) マーストリヒト(オランダ) 7月(84回)  アジア(暫定)
11月(79回)  北京(中国) 11月(85回)  アトランタ(アメリカ)
2011年 3月(80回)  ヨーロッパ(暫定) 2013年 3月(86回) オーランド(アメリカ)
7月(81回)  ケベック(カナダ) 7月(87回) ヨーロッパ(暫定)
11月(82回) 台北(台湾) 11月(88回)  北米(暫定)


参考文献

● NIST Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release 1.0(Draft), www.nist.gov/smartgrid ← 最新版が出ているはず

● Draft NIST Interagency Report(NISTIR)7628, Smart Grid Cyber Security Strategy and Requirements(Comments must be received on or before December 1, 2009)

● How to provide comments: http://edocket.access.gpo.gov/2009/E9-24430.htm

● NIST Smart Grid web site, http://www.nist.gov/smartgrid/

● NIST Smart Grid Twiki, http://collaborate.nist.gov/twiki-sggrid/bin/view/SmartGrid/WebHome

● IP Priority Action Plan, http://collaborate.nist.gov/twiki-sggrid/bin/view/SmartGrid/PAP01InternetProfile

● Core Protocols in the Internet Protocol Suite, IETF Internet Draft, http://tools.ietf.org/html/draft-baker-ietf-core

● 東京大学, グリーン東大工学部プロジェクト, http://www.gutp.jp/

● IETFのスマートグリッド・メーリング・リスト情報(メーリング・リスト参加やアーカイブ等がある)https://www.ietf.org/mailman/listinfo/smartpower-interest

● IETF Smart Power Directorate情報, http://www.ietf.org/iesg/directorate/smart-power.html

プロフィール

湧川 隆次〔トヨタIT開発センター シニアリサーチャ/慶應義塾大学SFC研究所 上席研究員(訪問)〕

湧川 隆次(わきかわ りゅうじ)氏

現職:TOYOTA InfoTechnology Center, U.S.A., Inc. シニアリサーチャ
   慶應義塾大学SFC研究所上席研究員(訪問)
   政策メディア博士(慶應義塾大学・2004 年)

【略 歴】
東京都に生まれる
2004年 慶應義塾大学大学院政策メディア研究科後期博士課程修了
2004年 慶應義塾大学政策メディア研究科 特別研究助手
2005年 慶應義塾大学環境情報学部 有期専任講師
2005年 Asian Institute of Technology(AIT)Adjunct Assistant Professor
2008年より株式会社トヨタIT開発センター シニアリサーチャ
2009年3月よりIETF AUTOCONF作業部会チェア、現在に至る

【主な活動】
IETF(インターネット技術標準化委員会)で、デュアル・スタック・モバイルIPv6(デザインチームの一員)、NEMO基本仕様(RFC 3963)やNEMOホーム・ネットワーク・モデル(RFC 4887)、プロキシー・モバイルIPv6のIPv4サポート拡張、複数ケア・オブ・アドレス登録など、多くの移動支援プロトコルの標準化を手掛けている。

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