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NTTファシリティーズのメガソーラー、モジュールを東西向きに隙間なく並べて発電量16%増を見込む

2017/04/14
(金)
SmartGridニューズレター編集部

NTTファシリティーズは、千葉県に建設中だったメガソーラーが完成し、運転を開始したと発表した。

NTTファシリティーズは2017年4月13日、千葉県に建設中だった大規模太陽光発電所(メガソーラー)「F長柄太陽光発電所」が完成し、運転を開始したと発表した。建設では、NTTファシリティーズが設計と調達(Engineering、Procurement)に加えて、工事全体の管理を担当した。施工(Construction)はミライトが担当した。完成後の運営はNTTファシリティーズが受け持つ。この太陽光発電所はNTTファシリティーズにとって74カ所目の太陽光発電所となる。

このメガソーラーで、NTTファシリティーズは従来とは違う手法を採り入れた。メガソーラーでは太陽光を最大限太陽光発電モジュールに当てるために、すべてのモジュールを南に向けるのが普通だが、今回は半分以上のモジュールを東西に向けて低い屋根を作るように配置した(参考記事)。その結果、モジュールを隙間なく並べることができ、南向き配置にしたら863kW分のモジュールしか並べられなかった面積に、1077kW分のモジュールを並べることができた。NTTファシリティーズはこの効果によって、年間発電量が16%増加するという計算を立てている。

図 F長柄太陽光発電所の全景

図 F長柄太陽光発電所の全景

出所 NTTファシリティーズ

発電所の所在地は千葉県長生郡長柄町長柄山字宿原(ちょうせいぐんながらまちながらやまあざしゅくばら)。私有地を賃借して発電所を建設し、発電、売電事業を展開する。敷地面積は約2ha(2万54m2)。ここに、中国Suntech Power社の太陽光発電モジュールを6048枚並べた。パワーコンディショナーは、南向きにモジュールを並べた区画にはダイヘンの製品を、東西向けにモジュールを並べた区画ではドイツSMA Solar Technology社の製品を採用した。

発電所の合計最大出力はおよそ1.9MW(1905.12kW)。NTTファシリティーズは、年間発電量を約1.98GWh(約198万4000kWh)と見込んでいる。一般世帯の年間電力消費量に換算すると約550世帯分に当たる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して全量を東京電力パワーグリッドに売電する。売電単価は1kWh当たり32円(税別)。

NTTファシリティーズは現在、同じ千葉県の香取市で、出力約3.1MWのメガソーラーの建設を進めている。2017年9月下旬に完成、運転開始の予定で、年間発電量は約3.41GWh(341万2000kWh)となる見込みだ。


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NTTファシリティーズ

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