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知識がないユーザーがスマートグラスで指示を受けて機器整備に当たる、金沢市で実証実験

2017/07/05
(水)
SmartGridニューズレター編集部

NTTデータ ニューソンなど3社は、工場の機器の整備にスマートグラスを導入して、整備を早期に完了させる実証実験を実施すると発表した。

NTTデータ ニューソン、ヨシダ印刷、NTTデータ北陸の3社は2016年7月3日、工場の機器の整備にスマートグラスを導入して、整備を早期に完了させる実証実験を実施すると発表した。整備について知識を持たないユーザーがスマートグラスを着用し、遠隔地から専門の技術者の指示を受けながら整備を完了させることを目指す。

ヨシダ印刷に限らず多くの工場や生産現場では、生産設備の整備が必要になると、生産効率が大きく下がってしまうという問題を抱えている。整備の技術を持つ専門の技術者をメーカーから派遣してもらって、整備してもらうことになるのだが、依頼直後に技術者が到着するわけではない、技術者は全国から同じような依頼を受けて、各工場を回っている。依頼してスケジュールを調整しても、ある程度の期間は待たなければならない。その間に代替策を実施するコストや、整備待ちとなった機器が使えないことによる時間的損失によって生産効率が大きく下がってしまうのだ。

今回の実証実験では、生産設備を日頃操作しているユーザー自身が、スマートグラスを着用して、遠隔地から機器メーカーの技術者の指示を受けながら整備を完了させることを目指す。従来のスマートグラスを使った実験では、ある程度の技術を持った保守技術者が、長い経験とノウハウを持つベテラン技術者の指示やアドバイスを遠隔地からスマートグラスで受けて、作業を速く、正確に済ませることを目的としたものばかりだった。

図 実験では、機器メーカーの拠点と整備が必要な機器がある現場をインターネットとクラウドを通してつなぐ

図 実験では、機器メーカーの拠点と整備が必要な機器がある現場をインターネットとクラウドを通してつなぐ

出所 NTTデータ北陸

今回は、整備についてはまるで素人であるユーザーに整備を完了させることを狙っている。成功すれば、整備担当技術者を現場に派遣することなく、整備を完了させることが可能になるので、機器を利用している工場にとっては最小限の損失で原状復帰が可能になり、生産効率が大きく落ちることも防げる。

図 スマートグラスを着用して、機器の整備に臨むユーザー

図 スマートグラスを着用して、機器の整備に臨むユーザー

出所 NTTデータ北陸

実験の場は石川県金沢市にあるヨシダ印刷の工場。期間は2017年7月~12月の予定。その間に整備に関する知識をまったく持たないユーザーに、機器メーカーの技術者からの指示がスマートグラスを通しても明確に伝わり、ユーザーが作業を完了させるために、指示の表示の出し方など、あらゆる面に渡って最適な方法を模索しながら検証する。

その上で、整備中となった生産設備の休止時間をどれくらい短縮できるかといったことや、機器メーカーの技術者の労働負荷をどの程度軽減できるのかといったこと、さらに知識を持たないユーザーが、保守整備作業をどれほどスムーズに進めることができるかといった点を検証する。

実験で良い結果が出れば、機器利用者だけでなく機器メーカーにも良い効果が期待できる。全国に納品した機器、設備がある場所に技術者を派遣することなく、ユーザーの求めに応じてすぐに整備をサポートするサービスを提供可能になる。ユーザーを待たせることなくすぐにサービスを提供することで、サービス品質をお向上させることができ、その効果で機器、設備の拡販も期待できる。また、技術者を派遣すると移動時間が無駄になり、交通費が掛かるが、遠隔で整備をサポートできれば時間的、金銭的損失を抑えることも可能だ。

NTTデータ ニューソンは今回の実証実験から得られた知見をシステムに反映させて、機能改善に取り組み、印刷業界に限らず、ほかの製造現場にも拡販を目指すとしている。そしてヨシダ印刷は、実証実験で使用したシステムを実運用向けに改良するのを待ち、ヨシダ印刷の拠点である北陸地方でシステムの営業販売を展開することを狙っている。そのためにNTTデータ北陸、NTTデータ ニューソンと業務提携を結ぶ予定だ。


■リンク
NTTデータ ニューソン
ヨシダ印刷
NTTデータ北陸

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