[トピックス]

東北電力、日産自動車、三井物産、三菱地所が「V2G実証プロジェクト」開始でVPP構築へ!

2018/11/01
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

 東北電力と日産自動車、三井物産、三菱地所の4社は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)の構築に向けて、共同の実証プロジェクトをスタートした。実証期間は2018年10月4日〜2019年3月31日。

 東北電力と日産自動車、三井物産、三菱地所の4社は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)の構築に向けて、共同の実証プロジェクトをスタートした。実証期間は2018年10月4日〜2019年3月31日。

 今後、普及拡大が見込まれているEVは、移動手段としての利用だけでなく、電気を貯めて取り出せる蓄電池としての利用がすでに始まっている。同プロジェクトでは、EVの蓄電池機能に着目し、気候条件によって出力変動する再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に対応するため、EVの電力需給バランス調整機能としての実現の可能性を検証する。また、今後のEVの普及を見据えて、駐車時にも付加価値を生み出す新たなビジネスモデルの検討なども行う。

 実証内容は、仙台ロイヤルパークホテル(三菱地所)の駐車場に設置する充放電スタンド2台(三井物産)と、EV2台(日産自動車)を使用し、新たに開発する遠隔監視・制御システムによって、スタンドに接続されたEV蓄電池の充放電を制御することで、EV蓄電池が電力需給バランスの調整機能として活用できるかを検証する(東北電力)。実証期間中には、EVをホテルの宿泊者などにカーシェアリング(NISSAN e-シェアモビ)車両としても提供する。

 なお、東北電力は、2018年5月30日から経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成30(2018)年度需要家側エネルギーリソースを活用したVPP構築実証事業(V2Gアグリゲーター注1事業)」を開始しており、今回のV2G実証プロジェクトは当該補助事業の一環として取り組まれている。

図 VPP構築に向けた「V2G実証プロジェクト」の構成(イメージ)

図 VPP構築に向けた「V2G実証プロジェクト」の構成(イメージ)

出所 http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/__icsFiles/afieldfile/2018/10/04/b_1198372.pdf


注1 V2Gアグリゲーター:V2Gの構築に向けた検証に取り組む事業者のこと。

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...