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LPWAでエアコンからセンサーデータを収集、ダイキン工業とNTT西日本が共同で実験

2016/11/15
(火)
SmartGridニューズレター編集部

ダイキン工業とNTT西日本は、LPWA無線通信技術を利用してエアコンから各種データを集める実験を共同で実施すると発表した。

ダイキン工業と西日本電信電話(NTT西日本)は2016年11月15日、LPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術を利用してエアコンから各種データを集める実験を共同で実施すると発表した。実験は無線通信の通信性能を確認する「技術検証」と、収集したデータの利用方法を検証する「価値検証」の2段階で実施する。技術検証は本日から始まった。

920MHz帯や2.4GHz帯を利用したLPWAは、通信に免許が必要ないことから面倒な手続きなしで利用できるIoT向け通信技術として注目を集めている。例えば、京セラコミュニケーションシステムは2017年2月から、LPWAの一種であるSIGFOXの通信サービスを始めることを明らかにしている。

今回の実験では、920MHz帯を利用する技術である「LoRaWAN」を使う。LoRaWANはアメリカの半導体メーカーであるSEMTECH社やIBMなどが設立した「LoRa Alliance」が規格を策定しているもので、通信速度は最大50kbps。数kmの間隔で無線通信が可能。見通しが良いところでの実験では、10kmでの通信に成功したという例もある。

実験の場所は大阪府摂津市と、大阪市の梅田駅周辺。両地点に基地局を1つずつ設置する。ダイキン工業の技術開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター」(大阪府摂津市)などに設置してあるエアコンにLoRaWANの通信機能を持たせ、基地局と通信してインターネット経由でクラウドにデータを送信する。

図 実験で使用する機器の構成

図 実験で使用する機器の構成

出所 NTT西日本

技術検証の段階では、LoRaWANの通信品質を様々な角度から検証する。通信速度、通信可能な距離を検証するほか、1度の通信でどれくらいのサイズのデータを送るようにすると効率良く通信できるかということや、どれくらいの頻度で通信すると効率が良いかということなども検証する。NTT西日本は、実験では高層建築物が多く建ち並ぶエリアでも通信するので、LoRaWANの実力を完全には発揮できないこともあると予想している。厳しい環境で、実用に耐える通信品質を維持できるかという点も重要な検証項目だ。

技術検証で十分な検証データを収集したら、価値検証に入る。この段階では、エアコンが送信してきたデータを利用したサービスなどを検証する。エアコンは、屋内外の気温や湿度、風の強さ、空気の清浄度などのデータを送信してくる。エアコンが内蔵しているセンサーが検知したものだ。さらに、故障発生時には故障した個体を特定するデータやどんな故障が発生したを知らせるデータも収集する。

例えば、エアコンと監視センターをLoRaWANなどを使って常時接続すると、より高度な保守サービスを提供できる可能性がある。既存のエアコンにも遠隔監視するシステムはあるが、このシステムは通信に電話回線を利用する。1日に1回、あるいは故障発生時に電話回線で監視センターに通知する。常時接続で、より詳しいデータを得られれば、故障したエアコンをすぐに特定でき、どんな故障が発生しているのかの判断も容易になる。その結果、故障発生時の復旧作業にかかる時間を短縮できる。

さらに、エアコンのセンサーが検知している気温などの環境データを活用することで、花粉やPM 2.5の飛散度合いをリアルタイムで知らせたり、予報を出すサービスなども実現する可能性がある。

NTT西日本は今回の実験に限らず、さまざまな企業と協力して、LPWAを活用するサービスの可能性を探っていく。そのために、共同での実験も実施していくとしている。


■リンク
ダイキン工業
西日本電信電話

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