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NEDO、カリフォルニア州で電気自動車の行動範囲拡大を目指した事業を開始

2016/11/16
(水)
SmartGridニューズレター編集部

NEDOは、アメリカ・カリフォルニア州北部で「電気自動車の行動範囲拡大実証事業」を開始した。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年11月15日、アメリカ・カリフォルニア州北部で「電気自動車の行動範囲拡大実証事業」を開始した。この事業は日産自動車と兼松が受託して実施するもので、2020年9月までに州北部の20以上の地点に合計で最大50基の電気自動車(EV)向け急速充電器を設置する予定だ。すでに設置が完了してる6カ所の急速充電器も、稼働を開始した。

図 急速充電器の設置イメージ

図 急速充電器の設置イメージ

出所 日産自動車

この事業の背景にはEV利用者の行動範囲が狭いという現状がある。カリフォルニア州はEV導入に積極的な州で、導入拡大のための施策を打ち出している。例えば、州内で一定の台数以上の自動車を販売するメーカーには、合計販売台数に対して州が定めた比率のEVやプラグインハイブリッド車を販売することを義務付けている。EV利用者に向けては、EV優先車線を設定して優遇している。その結果、アメリカ全州の中でも自家用EVが最も多い州となった。

しかしEV利用者の行動範囲を調べると、充電設備が整っている都市部に集中しており、用途は通勤や買物などの近距離移動がほとんどだという。NEDOはEV利用者の行動範囲が狭く、なかなか広がらない理由としてEVの航続距離の制約を挙げている。EVの航続距離は、比較的長い車種でも280km程度。500km以上の連続走行が可能な車種もあるが、価格がかなり高いためごく一部の富裕層しか購入できない。

ガソリン車の航続距離は500~1000km。これに比べるとEVの航続距離はかなり短いと言わざるを得ない。NEDOは航続距離の短さがEV利用者の心理的不安につながっており、これがEV普及の障害だとしている。

この事業では、EVを使った都市間移動を促すことを狙っている。そのために、モントレー、サンノゼ、サクラメント、レイクタホなどの都市をつなぐ幹線道路に沿って急速充電器を設置していく。幹線道路沿いに急速充電器がいくつもあり、いつでも充電できる環境が完成すれば、EVで遠出をする利用者も増えると見込んだ対策と言えるだろう。

図 都市を結ぶ幹線道路に沿って急速充電器を設置して、EVによる都市間移動を促す

図 急速充電器の設置イメージ

出所 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

さらに、EV運転中の利用者に急速充電器の位置を知らせ、必要なときに急速充電器がある場所まで誘導するシステムを構築する。EVのカーナビや利用者のスマートフォンの画面に、急速充電器の位置を表示して誘導することを予定している。このシステムは2017年春に稼働を始める。

この事業では日産自動車が急速充電器の設置と運用、そしてEV利用者の行動の変化の分析を担当する。兼松は急速充電器の位置を知らせるシステムの構築とサービスの提供を担当する。さらに、EVの関わるデータを蓄積し、新たなビジネスの可能性を検討するとしている。


■リンク
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
日産自動車
兼松

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