[ニュース]

IPA、「産業サイバーセキュリティセンター」の教育プログラムを7月から開始―受講者募集は2月20日から

2017/02/09
(木)
SmartGridニューズレター編集部

IPAは、同機構の「産業サイバーセキュリティセンター」による教育プログラムを7月から開始すると発表した。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2017年2月8日、同機構の「産業サイバーセキュリティセンター」による教育プログラムを7月から開始すると発表した。受講者募集は2月20日から始める。

近年、ハッカーは企業情報システムだけでなく、発電所や工場の設備などを攻撃の標的とするようになってきている。実際、2003年にはアメリカの原子力発電所が攻撃を受け、制御システムが停止するということがあった。2014年にはドイツで製鉄所の溶鉱炉が攻撃を受けて損傷するという事故があり、2015年にはウクライナでハッカーによる攻撃で数万世帯が停電したという例がある。

IPAはこのような情勢を見て、2017年4月に「産業サイバーセキュリティセンター」を発足させることを決めている。今回は同センターの事業の1つである、人材育成プログラムを開始することを発表した。プログラムは7月から1年間のコースで実施する予定。

このプログラムでは、育成する人材のイメージとして3点挙げている。1つ目は「システムの安全性、信頼性を客観的に評価し、組織の幹部に対してサイバーセキュリティ対策の立案ができ、経営リスク、財務リスクなどを説明できる」こと。2つ目は「最新のサイバー攻撃のトレンドに精通し、他業界や海外の対策状況等を把握し、対策立案に効果的に反映させることができる」こと。3つ目は「実装するサイバーセキュリティ対策の安全性、信頼性、および必要な技術とコストを精査し、対策を効率良く確実に導入できる」こと。セキュリティに精通していることは当たり前。自社で使用しているシステムについては詳しく知っていて当然。その上で、経営、財務、法律に精通しており、リーダーシップもある人材を育てようということだ。

このような人材を育てるため、模擬プラントを使用した実習や、最新のサイバー攻撃情報の調査分析で制御技術と情報技術のスキルを育成する。さらに、ビジネス、マネジメント、倫理に関する講義を受講することを義務付けていることも特筆すべき点と言えるだろう。

図 人材育成プログラムのカリキュラム計画

図 人材育成プログラムのカリキュラム計画

出所 独立行政法人情報処理推進機構

開催場所はIPAが入居している文京グリーンコート(東京都文京区)。受講料金は1年間で300万円(税込)。一部プログラムで最長5営業日連続の出張演習も想定している、出張演習は1年間で15回程度開催する予定。受講者は、所属する企業、団体の推薦を受けて参加する。トレーニング実施状況や習熟度について、受講者の所属企業、団体に定期的な報告があるほか、受講生にはメンターから個別評価のフィードバックを実施する。コース終了時には、試験の結果や成果報告の評価で、卒業を認定する。

産業サイバーセキュリティセンターは募集対象者として、「社会インフラ及び産業基盤に関連する企業、機関、関連企業の連結会社及び持分法適用会社」を挙げている。すでに、電力、ガス、鉄道、自動車、不動産など、30社以上が教育プログラムへの参加を表明しているという。

産業サイバーセキュリティセンターでは、1年間のコースに加えて、企業幹部を対象とした短期プログラムを年数回実施することも計画している。


■リンク
独立行政法人情報処理推進機構

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
 いよいよ日本でも、IoT時代に必須のLPWA(Low Power wide Area、省電力型広域無線網)サービスがスタートします。  第4次産業革命に向けて、エネルギー、ヘルスケア、製造業、...
 NIST(米国国立標準技術研究所)が2009年11月に立ち上げた委員会「SGIP」(スマートグリッド相互運用性パネル)は、2013年にSGIP 2.0となり、新たな活動を展開している。  SG...
本書『IoT&スマートグリッド用語事典』は、既刊の『スマートハウス&スマートグリッド用語事典』(2012年2月発行)を大幅に改訂したものです。2011年3月11日の東日本大震災を契機に、日本では電力分...