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Amazonが配送センター屋上への太陽光発電システム設置計画を発表、2017年中に合計41MW規模に

2017/03/06
(月)
SmartGridニューズレター編集部

米Amazonは、同社が世界中で運営している配送センターの屋上に太陽光発電システムを設置していく計画を発表した。

米Amazonは2017年3月2日(現地時間)、同社が世界中で運営している配送センター(フルフィルメントセンター)の屋上に太陽光発電システムを設置していく計画を発表した。まずは2017年中に、北米にある15の配送センターに太陽光発電システムを設置する計画を進めている。

2017年中に太陽光発電システムの設置を予定しているのは、カリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、ネバダ州、デラウェア州にある15の配送センター。それぞれの出力を合計すると最大で41MWになる予定だ。Amazonはさらに2020年までに世界中の配送センター50カ所の屋上に太陽光発電システムを設置する計画を打ち出している。

カリフォルニア州パターソンにある配送センターでは、すでに太陽光発電システムの設置が済んでいるという。パターソン配送センターの屋上の面積は110万m2にもなるが、太陽光発電モジュールはその屋上の4分の3以上の面積を覆ったそうだ。発電した電力は配送センター内で動き回っているロボットの電力として利用している。パターソン配送センター内では数百台のロボットが配送する荷物を運んでいる。

図 Amazonのパターソン配送センターの屋上。大量の太陽光発電モジュールが並んでいる

図 Amazonのパターソン配送センターの屋上。大量の太陽光発電モジュールが並んでいる

出所 Amazon

Amazonのワールドワイド・オペレーション担当上級副社長であるDave Clark氏は、「Amazonの物流ネットワークは拡張を続けている。既存の物流センターだけでなく、これから新設する物流センターにも太陽光発電システムを設置していきたい」と、今後の設置計画について語った。

さらに同氏は、「Amazonは、地球環境を保護するために自社の規模と革新的な社内文化を活用している。これは地球環境にとって良い結果をもたらすだけでなく、Amazonのビジネスと顧客にも利益をもたらす。電力の調達先を多様化することで、運営コストを低減できる。その結果、顧客に商品をより安い値段で提供できるようになるだろう」と再生可能エネルギーに投資する理由を明らかにしている。

またAmazonは、同社で働く従業員向けに新しい人事制度を提供するという。新しい人事制度は太陽光発電システム設置作業者の資格を得ることを希望する社員に向けたもの。北米公認エネルギー実務者委員会(North American Board of Certified Energy Practitioners:NABCEP)が認定する太陽光発電システム設置作業者の資格を取得するための研修費用などを補助する。

Amazonによると、2016年の全米の求人のうち、太陽光発電システム設置作業者の求人は2015年比で25%増えているという。太陽光発電システム業界も急成長している。Amazonは新設の制度で太陽光発電システム設置作業者の認定を受けた社員は、配送センターの職から離れ、よりよい条件で太陽光発電システム設置作業者の職を得ることができるだろうとしている。


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Amazon

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