GE Renewable Energyの社長兼CEOであるJérôme Pécresse氏はAmazonがアメリカのテキサス州に建設中の大規模風力発電所「Amazon Wind Farm Texas」に、風力発電設備を納入することを明らかにした。Amazonは再生可能エネルギーの開発に積極的に取り組んでおり、3月2日には、物流センターの屋上に太陽光発電システムを設置する計画を明らかにしたほか(関連記事)、インディアナ州、ノースカロライナ州、オハイオ州で風力発電所を運営している。
GE Renewable EnergyはAmazon Wind Farm Texasに、出力2.3MWの風力発電設備を110基納入する。合計の最大出力は253MWになり、年間発電量はおよそ1TWh(約10億kWh)に達する。これは一般世帯の年間電力消費に換算するとおよそ9万世帯分になる。
図 建設中のAmazon Wind Farm Texas
出所 GE Renewable Energy
Amazon Wind Farm Texasは2017年内の運転開始を目指して建設中だ。発電した電力の9割はAmazonの物流センサーで消費する予定。Amazonはほかにも5カ所で大規模太陽光発電所を、1カ所で大規模風力発電所を建設する予定を明らかにしており、2017年末までには年間360万MWhを発電できる態勢ができる。GE Renewable Energyは風力発電について「6年前に比べて発電コストが1/3に下がった」とし、旧来の火力や原子力による発電所と比べても十分なコスト競争力があるとしている。
アメリカ・エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)は、連邦政府税や助成金を除いた陸上型風力発電のコストが2020年までに1MWh当たり73.6ドルまで低下すると予測している。タービンの技術が進化すればさらに下がるという。一方、安価な燃料の代表格である石炭を利用した発電コストは現在、1MW当たり75.2ドル。再生可能エネルギーに活用は地球環境保護だけでなく、企業のコスト削減施策の1つになりつつあると言えるだろう。