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大成建設、作業時の「力加減」の感触をネットワーク越しに伝えるシステムの開発を開始

2017/07/24
(月)
SmartGridニューズレター編集部

大成建設は、遠隔地にあるロボットが検知した「力加減」の感触を伝えるシステムの開発を始めたと発表した。

大成建設は2017年7月20日、遠隔地にあるロボットが検知した「力加減」の感触を伝えるシステムの開発を始めたと発表した。部品などの物体の硬さ、柔らかさや、作業時の「力加減」の感触を遠隔地からロボットを操作する作業員に正確に伝えることで、短時間で精密な作業が出来る体制を作る狙いがある。

このシステムには、イクシーが開発販売している「EXOS」を活用する。EXOSはロボットアームと、専用グローブをセットにしたもので、ロボットアームが検知した「触覚」を専用グローブを通して人間に伝える機能を持つ。

図 イクシーの「EXOS」。ロボットアームが検知した触覚をグローブを通して人間に伝える

図 イクシーの「EXOS」。ロボットアームが検知した触覚をグローブを通して人間に伝える

出所 イクシー

現在、工場などの生産現場では数多くの産業用ロボットが活躍しており、作業の自動化が進んでいる。しかし、人の手による繊細な作業に頼るしかない場面が数多く残っていることも確かだ。そして、そのような繊細な作業を任せられる作業員は経験を積んだ熟練の作業員であり、その数は決して多いとは言えない。その熟練の作業員でも、産業用ロボットほど速く作業を進めることは不可能であり、生産性向上を目指す管理者を悩ませている。後進にその技術を習得させて熟練の作業員を増やそうにも、現在の方法では経験を積んで失敗を繰り返しながら、長い時間をかけて習得させるしか方法がない。

大成建設は、特定用途専用のロボットを開発して問題を解消するという方法も考えたが、現在の産業用ロボットの技術では、作業員による手作業を再現するのが難しいという。特に作業時の「力加減」を再現することが難しく、対応するロボットを開発するには莫大なコストと相当長い開発期間が必要になるという。

そこで、大成建設はイクシーと共同で「EXOS」のロボットアームが検知した感触を人間に伝える技術を応用して、作業用ロボットが検知した「硬さ」「柔らかさ」「力加減」などの感触を、遠隔地からロボットを操作する作業員に伝える技術を開発することにした。これならば短い期間で、コストもそれほどかけずに開発できるという判断だ。ロボットアームが検知した感触はインターネット経由で伝達するので、作業員はかなり離れた場所にいてもリアルタイムで感触を感じながら作業できる。

さらに、作業現場を映し出すHMD(Head Mount Display)を開発し、感触だけでなく、映像も確認しながら正確に遠隔操作できるシステムを開発するという。そして、ロボットが検知した「感触」のデータを蓄積し、深層学習などを利用して解析し、将来はその解析結果を基に自律的に作業するロボットの開発も目指す。

大成建設はこのシステムを開発することで、作業員が現場に向かうことなく作業することが可能になり、顧客に素早く対応できるようになるほか、作業員の労働時間を有効に使え、作業員に掛かる負荷を軽減できると考えている。また、作業員が立ち入れない危険な環境などでも、精密な作業が可能になるというメリットを挙げている。そして、熟練作業員の動作を数値で記録することで、技術を効率良く蓄積し、後進に伝えやすくなるという効果も期待できるという。

大成建設とイクシーは今後、このシステムをまず生産現場で実用化することを目指すとしている。具体的には食品製造工場、医薬品製造工場などに提案していくという。さらに、医療・福祉施設、物流施設、集客施設、建築・土木現場などさまざまな用途への応用を検討するとしている、


■リンク
大成建設

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