ドイツBMW Groupは2017年7月25日(現地時間)、「MINI」ブランドの電気自動車(EV)の量産を2019年から始めると発表した。MINIブランドの車種の中でも人気が高い3ドアの車種をEV化するとしている。同社はこれで、MINIブランドでガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、プラグインハイブリッド車に続く新しい選択肢を提供できるようになるとしている。
BMW Groupは2008年にMINIの3ドアの車種を基にした試験車両「MINI E」を開発し、世界各地で走行試験を実施している。この試験の成果を基に、MINIのEVを開発することを期待する声が多かったが、研究成果は「BMW i3」という形で市場に出ることになった。それ以来、MINIのEVを期待する声は高まっている。
図 2008年に登場した試験車両「MINI E」。MINIの3ドアの車種を基にしている
出所 BMW Group
量産開始時は、駆動機構をドイツ・バイエルン州のディンゴルフィングとランツフートの拠点で製造する。この2拠点はBMW Groupの電動駆動機構の製造拠点となっている。そして、イギリス・オックスフォードの工場で組み立てて出荷する、オックスフォードの工場は現在、MINIの3ドアの車種の主要な生産拠点となっている。
BMW Groupは2025年までにEVやプラグインハイブリッド車などの電化した車両の売上が、全体の15~25%を占めるようになると見ている。しかし、各種規制や、自治体や政府による補助金、そして充電器ネットワークの充実度によってこの数字は変わる可能性が高いともしている。地域によって電化車両の比率が大きく変わるということもあり得る。
そこでBMW Groupは、このような需要の変動に柔軟に対応する体制を作ろうとしている。この体制が完成すれば、BMW Groupが世界中で運用しているどの製造拠点でも、ガソリンエンジン車、プラグインハイブリッド車、EVを柔軟に作り分けることができるようになるという。
BMW GroupはMINIに続いて、「BMW X3」のEVの量産を2020年に開始することをすでに明らかにしている。
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