アメリカSolid Powerは2017年12月18日(アメリカ山岳部時間)、BMW Groupと提携を結んだと発表した。Solid Powerは、2012年にコロラド大学ボルダー校の出身者が設立したベンチャー企業。全固体電池について大学で研究した成果を基に、全固体電池の実用化を目指している。全固体電池はリチウムイオン蓄電池よりもエネルギー密度、パワー密度が高い上、発火や爆発などの事故が発生する確率がほとんどないという次世代の蓄電池。全固体電池への移行で、EVの連続走行距離を大きく伸ばせる可能性があることから、トヨタ自動車なども研究開発を続けている。BMW Groupは今回の提携で、自動車向け全固体電池の早期実用化を目指してSolid Powerと共同で研究開発に取り組む。
図 全固体電池がEVに載れば、走行距離が伸び、充電の回数が減る
出所 Solid Power
Solid Powerが開発中の全固体電池は材料としてすべて無機物を使っており、陰極には大容量の金属リチウムを、陽極には超大容量の独自材料を採用している。セパレーターにはイオン導電率が高い固体を使用し、リチウムイオン蓄電池と比較して2~3倍の性能を発揮するという。また、可燃性物質や揮発性物質を使用しないため、発火や爆発の恐れがなく、リチウムイオン蓄電池には絶対に必要な安全対策機構が不要となり、低価格で提供できるという。
Solid Powerの創設者であり、CEOを務めるDoug Campbell氏は「BMW Groupとの共同作業で、全固体電池への移行で電気自動車(EV)が進化を続けられるということを再確認することになるだろう。共同作業で、EVの蓄電池技術の限界を打ち破ることが待ち遠しい」と今回の協業を歓迎するコメントを残している。
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Solid Power